「スキルアップ転職」は面接官に嫌われる 面接では気を付けて主張すべし

面接対策

スキルアップしたいから転職したいというのは、転職の動機としてはとても前向きです。そのため多くの応募者が、「スキルアップを目指しています」というアピールをしています。

もちろん、スキルアップを心がけることに問題はありません。

しかし、あまりにもスキルアップという言葉を聞かされている面接担当者の中には、この言葉を素直に受け止めない人がいます。

今回は、転職の面接時に「スキルアップしたい」という気持ちを上手に伝える考え方について解説します。

前職の退職理由が「スキルアップ」だと不安になる

多くの面接官は、自社に応募してくる人に、前職を退職した理由を聞きます。

そのとき、「前職よりももっと多くの仕事をしたい。スキルアップしたいと思い、退職しました」と答える人がとても多いのです。

そのため、「もしかして、うちの会社に入社しても、スキルアップしたいからという理由で辞めてしまうのではないか?」と不安になるのです。

スキルアップというワードがなぜまずいのか?

スキルとは、その人個人の「技術・技能」のことです。

「手に職」を持っている人は、会社に依存しなくても自分の技術で収入を得ることができます。

スキルとは、こういうニュアンスを与える言葉です。

実際に、スキルアップをしたいという人の中には、会社に依存せずに、自分のスキル(技術・技能)を高めることを目的とした転職活動をしている人もいます。

IT関係や、語学力が必要な業務など、特定の技術職の人に多い傾向があります。

そのため採用担当者の中には、「自分の個人的な技能を伸ばすために、会社を使ってレッスンを受けようとしている」と感じる人がいます。

「スキルアップという言葉を使う応募者は、会社を学校と勘違いしている。職業意識が低いと思うから、採用は躊躇する」という意見の人もいます。

「スキル」と「キャリア」

スキルと似たような言葉に「キャリア」というものがあります。

「キャリア」とは、あなたが前職までに経験してきて、組織内で活用できるノウハウのことを言います。

この「キャリア」は、個人的な技術ではなく、組織内で活用されるものであり、会社を変わっても積み上げていくことができます。

そのため、実は、採用側の会社が欲しいのは、自社で使えるノウハウ、すなわちあなたの「キャリア」なのです。

会社が中途採用で外部から人を入れようとするのは、スキルを持つ人の「技術」を利用しようとするためだけではありません。

今まで積み重ねてきたノウハウを持つ人を、引き続き自社の組織内で積み上げてもらいたいのです。要するに、「キャリア」を活用したいということです。

採用側の会社は、面接の場面で「あなたが前職までのキャリアをどのように使って自社に貢献してくれるのか」ということが知りたいと思っています

その場面で、あなたが「前職は、スキルアップしたいために退職しました。御社ではスキルアップができると思い、応募しました」と主張したらどのように受け止められるでしょうか。

「この人は、自分のスキル(技能)アップに興味があるのだろうな」と受け止められてしまいます。

大事なのは、使う「言葉」ではありません。

そうではなく、「私の今まで積み重ねてきたキャリア(スキル)を、御社で活かしてください」というニュアンスを伝えることが大事だということです。

一般職なら「スキル」総合職なら「キャリア」

また、あなたが転職したい職種によっても、「スキル」をアピールするか「キャリア」をアピールするか、検討したほうが良いでしょう。

たとえば事務などの一般職の仕事であれば、あなたのその仕事における技術、技能、すなわち「スキル」をアピールしても問題はありません。

なぜなら、会社は一般職の人材には、技能の高い人に現場の仕事をたくさんこなしてもらいたいからです。

しかし、一般職の仕事ではなく、会社内で総合的な人材に成長したいと思っているのであれば、あなたがアピールすべきはスキルではなく「キャリア」です。

総合職の人材は、将来的には幹部となっていくはずです。

総合職であれば、部下を持ち、育て、責任者として部門を管理することが求められていきます。

そのため、自分の「スキル」の向上だけを考えていてはいけません。会社全体のことを考えて、広い視野で仕事をしなければならなくなります。

そのために、総合職の人材はさまざまな部署に異動して、他部門の経験をさせられるのが普通です。

総合職の人材は、こういった異動のおかげで、特定の「スキル」は身に付かないことが多いです。

しかし、総合職の人材はスキルは身に付かなくても、「キャリア」は身に付いていくことになります。

スキルとキャリアには、このように微妙な違いがあります。

あなたがこれから応募しようとしている職が一般職か総合職かによって、アピールする言葉を変えることが大事です。

スキルアップを転職理由にするのは1度まで

また、前職を退職し、新たなステージへ進む理由に「スキルアップ」をあげる人がいますが、これが使えるのは一度だけであることを認識しておきましょう。

何度も何度も「スキルアップ転職」をしている人は、「もしこの人が自社に入っても、また同じ理由で新たなステージへ進もうとして辞めてしまうかもしれない」と勘ぐられてしまいます。

前職を辞めた本当の理由があるなら正直に答える

また、「スキルアップ」という言葉が非常に便利であるため、多くの応募者が使っています。

この言葉は、実は転職面接の場面では、「良いようにも悪いようにも取られてしまう難しい言葉」だと感じます。

そのため、本当に向上心のための転職であったとしても、ひとまず「スキルアップ」という言葉を避けて、別の言葉に置き換えるほうが良いかもしれません。

中には以下のような意見の面接担当者がいます。

スキルアップしたいから前職を辞めて転職した、などという応募者を、我々は誰も信じていません。

前の職場が居づらくなったか、人間関係がうまくいかず辞めた人は、たいていスキルアップを理由にするからです。

本当にそういう事例が多いため、どうしても勘繰ってしまうクセがついています。

そのためむしろ、前職を辞めた理由は、労働者として当たり前の理由、例えば収入アップを目指しているとか、やりがいのある仕事がしたいとか、そういった素直で普通の理由を話してくれたほうが、好感を持ちますね。

このように、多くの採用担当者は、応募者の「言葉」だけを鵜呑みにすることはありません。

その言葉の「裏」を探ってきます。

そのため、本当の退職理由や志望動機があるのなら、素直に正直に話した方が、勘繰られることもなくスムーズにいきます。

スキルアップという言葉はとても便利であるため、多くの人に乱用されていることを認識しましょう。

それでも、あなたの向上心を伝えたいのであれば、「スキル」と「キャリア」のニュアンスをしっかり理解して話を組み立てましょう。

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