上司に嫌われている人は、毎日仕事に行くのが辛いと思います。
仕事そのものは嫌ではないのに、上司から嫌われているというだけで働きにくいし、評価もされません。
あまりにも上司との相性が悪ければ、働く場所を変えるなどの対処が必要でしょう。
しかし、嫌われてしまう人にはある特徴があるので、それらを改善させることで、上司との関係が良くなるかもしれません。
今回は、上司に嫌われる人の特徴と、これ以上嫌われないための対策について解説します。
上司に嫌われる人の特徴
上司も人間ですから、どうしても嫌いな部下がでてしまいます。
上司本人に問題があって、どんな部下でもうまくやれないという人もいます。しかし、そうではなく、部下の側にも問題があるために、なぜか上司から嫌われてしまうという人たちがいます。
そのような人には、以下のような特徴があります。
実務能力が低く、改善・反省をしない
上司は、実務能力が低く仕事の成果をあげられない部下は疎ましく感じます。
これは当然のことといえます。部下の失敗は自分が責任を取らないといけないし、何度も指導しなければならないからです。
指導をして改善してくれば問題ないかもしれませんが、何度言っても治らないとかいつまでたっても仕事ができないとなると、上司の方もうんざりしてきます。
ビジネスマナーが身に付いていないとか、社会的ルールがわかっておらず人に迷惑をかけるなどの、根本的に社会人としてダメな部下は、上司に嫌われるのは当然です。
報告・連絡・相談が下手
指示していない仕事を相談もせず自己判断で勝手に進め、進捗を報告しないまま放置しているような人は、上司にとって非常に困る部下です。
部下本人の視点では、与えられた仕事は自分のやりたいようにやりたいし、自分の中では理解できているつもりなので、相談・報告する必要はないと考えがちです。
しかし上司には業務の進捗を知る義務があり、間違った方向で仕事をしていれば軌道修正もしないといけません。
また、こまめに相談してくれる部下は、上司としては可愛げがあり、面倒を見てやりたくなるものです。
一方何も相談せず知らん顔をしている人に対しては、可愛げもないし、何をしているかわからず不安を感じます。
相談・報告をしてくれない人は、上司にとって仕事を任せにくいうえに、可愛げのない部下にうつるのです。
あなたが、上司を嫌っている
「上司に嫌われている」と悩んでいる人の多くが、その上司のことを深層心理では嫌っています。
人間関係は共鳴しあって関係が成り立ちます。あなたが好意を感じている人は、おそらく相手もあなたに好意を持っています。
一方あなたが嫌いだと感じる人は、その気持ちがなぜか伝わってしまうため、相手も嫌いだと感じるようになります。
いくら表面上笑顔で接したり、相手にお世辞を言ったりしても、なぜか深層心理的なものは相手に伝わってしまうものです。
あなたの上司に対する、ちょっとした目線や表情、声のトーンなどから、上司は「自分のことが嫌いなんだな」とわかっているのです。
そのために相手も「何だかこの部下は接しにくい、苦手だ」と感じるようになっているのかもしれません。
上司にこれ以上嫌われない対策
上司から嫌われていると感じるなら、上に述べたように嫌われる理由があるのかもしれません。
もちろん、「どの部下も嫌い」という上司や、幼稚なイジメとしてあなたを嫌っているような上司であれば、歩み寄る必要などありません。
一方、こちらにも問題があるため嫌われているかもしれないという場合は、できるだけ上司に嫌われないような態度を身につける努力をしましょう。
つまり、実務能力を身につけ、報告・相談をうまくやり、あなたも上司を好きになることです。
これをすべて同時に行うことができるのが、「報告・連絡・相談」を徹底することです。
何だそんなことかと思われるかもしれませんが、上司に嫌われている人の大半が、ホウレンソウが下手です。
今一度初心にかえり、「上司に嫌われないためのホウレンソウ」を学びましょう。
かつ、ホウレンソウを徹底することで、必要な助言をしてもらえて仕事がはかどったり、ミスが減ったりします。
次第に実務能力も上がってくるので、馬鹿げたミスをして怒られて嫌われることも減ります。
さらに、ホウレンソウを経由して上司に歩み寄ることで、相手との人間関係が養われ、次第にあなたも上司を嫌いではなくなります。
そうすることで、相手からも親しみを感じてもらえるかもしれません。
上司に嫌われないホウレンソウの仕方
上司に嫌われる部下は、勝手に仕事を進めて報告を忘れたり、ミスなどを隠したいために報告を遅らせたりします。
また、ダラダラと物語風に報告をするために、結局何がいいたいのかさっぱりわからないと、イライラさせられます。
さらに、「〇〇はダメでした。スミマセン、どうしたらいいですか?」など、何の解決策も持たずに、ただ事実を後から述べるだけといった最悪の報告をされると、ますます上司は腹を立てるでしょう。
悪い情報こそ早く伝える
上司から、「あの件どうなってる?」と言われないように、早めに報告をしましょう。
とくに、仕事がうまくはかどっていないときや、失敗しそうなときこそ早めに「うまく行っていない」「失敗しそうである」ということを報告すべきです。
失敗が確定した後に報告するよりも、事前に言っておかないといけません。上司の立場になると、悪い情報こそ早く回してもらって、対策ができるならしておきたいからです。
報告は案件が確定してからすれば良い、というのは間違いです。未確定であれば中間報告でも良いので、早めに情報を伝えましょう。
上司が聞きたい「結論」から述べる
報告の際は、上司が聞きたいだろうことを、まず結論から先に述べましょう。
「〇〇がこうなりまして、私は〇〇と言いましたが、先方は〇〇しかできないとおっしゃるんです……。それで、私としましても……」と、物語のように語られると、判断がしにくいのでイライラするからです。
几帳面なタイプの人こそ物語風の報告をしがちですが、思い切って結論を先に言いましょう。
その際も、上司が何を聞きたがっているのかを推察しながら伝えます。
お金に細かい上司ならお金について、人間関係を気にしている上司ならそのことを優先します。
自分が報告したいことより、相手が知りたいことを優先して話すようにしてください。
自分なりの解決案を持って報告する
このような情報は、報告ではありますが、解決策について何も考えていないため、ただの情報の提供になります。ガキの使いと同じです。
上司側は、部下にある程度仕事を任せたいと思っています。
それなのに、「うまくいかなかったのですが、どうしたらいいですか?」という態度であると、頼りないし面倒な部下と思われてしまいます。
そのため、特に上手くいかなかったことについては、次への解決策と共に報告をするようにしましょう。
さらに、良い報告であっても「さらに良くするために、このようにチャレンジしたいと考えています」「この部分をもっと改善すれば、より良くなります」のように、次の提案ができると、任せて安心の部下と思ってもらえます。
「おかげ様で」を散りばめる
報告・連絡・相談の合間に、「おかげ様で、ご指導の通りに行ったら、上手くいきました。ありがとうございました」など、「おかげ様で」を散りばめましょう。
自分が成功したら、上司のおかげ様という形で報告してください。
これができたのは上司のおかげ、上手くいったのは上司のおかげ、失敗しなかったのは上司のおかげ……。
実績を奪われるようで悔しいかもしれませんが、このように言われてうれしくない上司はいません。
ウソでもいいので「おかげ様で」を連発していると、上司の方は、あなたから慕われていると勘違いしてくれます。
まめに相談したり、自分を頼ってくれたりする部下は、たとえ仕事ができなくても可愛げを感じるのです。
「至らない点はご指摘ください」と説教の機会を与える
大抵の上司は、部下に言いたいことがたくさんあり、機会があれば思い切り説教してやりたいと考えています。
部下の方は、突然説教モードになると辛いですが、あえて自分から「至らないところをぜひご指摘ください」「私はどうしたらよろしいでしょう?ご指導いただけると助かります」と聞いてみましょう。
わざと、上司に説教する機会を与えるということです。
そうすることで、上司側に思いきり発散させることができます。
さらに、その都度仕事の仕方を教わることもできますし、上司が自分に何を求めているのかもわかります。
また、これからの仕事の段取りを確認できます。
心理的に抵抗があるかもしれませんが、上司からスムーズに仕事を教えてもらえると捉えて、勇気を持って説教されてしまいましょう。
歩み寄っても上司に嫌われ続ける場合
色々努力をして歩み寄っているにもかかわらず、上司に嫌われ続けてしまうのであれば、問題はあなたの側にはありません。
本来、「好き、嫌い」などは職場で表現してはいけないものです。
部下の側がある程度努力しているというのに、部下を嫌い続けるというのは、その上司の方に人格的な問題があるのかもしれません。
あまりにも上司との相性が悪いのであれば、思い切って職場を変えるのも選択肢の一つです。
異動や転職などをして、上司に嫌われない努力よりも大事なキャリアアップに力を注いでください。
それでも、「上司に歩み寄る努力」は、決して無駄になりません。
上記のような努力をすることで、実務能力も高くなりホウレンソウの技術も身に付いているはずです。
どこへ行っても上司という立場の人はいますから、「上司対策」のスキルは決して無駄にはなりません。