キャリアを重ねていくにつれて、仕事へのやる気が損なわれているのを感じていくことがあると思います。
入社当初は燃えていたはずなのに何が違うのか。そんな葛藤には、必ず何らかの理由があります。
同じように1日を過ごすなら、ただ何となく仕事をこなすのではなく、やりがいや使命感を感じながら働きたいのは自然な感情です。
以前のように、やりがいを持って働くには一体何を変えれば良いのでしょうか。
また、あまりにもやる気にならない仕事であれば、思い切って転職するのも選択肢に入れた方が良いです。
今回はやりがいを持って働く方法と、転職を検討する際の判断基準について解説します。
やりがいを感じない理由は何かを探す必要
ただ漠然とやる気が出ずダラダラと仕事し続けても不完全燃焼です。
なんとなく仕上げた仕事は質も下がり、評価をも落としかねません。そうなると更に仕事はつまらないものになります。
モチベーションが下がってしまった理由は何なのでしょう。それに気づくことができれば、解決へ向けての一歩を踏み出すことができます。
以下は、一般的に「モチベーションの源泉」と言われるものをまとめたものです。
これが欠乏すると人はやりがいを感じづらくなってしまう傾向があるのです。
「自らの行動を自分でコントロールしている」という自己決定感
「やり方は問わないのでこの仕事を〇日までに仕上げてくれ」
「●●についての裁量は君に任せるよ」
というように、自律的に仕事をできていると信頼されている感覚や、またそれを実行するときに人は自信を持つことができます。
「うまくやれている」という時に感じる有能感
仕事が思った通りに進んでいる時などは快感すら感じることでしょう。
計画力、実行力の高さを感じることが出来れば、新たな挑戦に対しても積極的になりどんどん仕事が進みます。
「以前よりうまくできている」という自己成長感
以前なら手こずっていた仕事もうまくこなせるようになると、それまでやってきた仕事に対しての肯定の気持ちも生まれます。
また、これからする仕事に対しての期待感、更に成長したいという向上心も高まります。
やり遂げた時の達成感
実際に達成した時もですが、仕事に取り掛かる前にもそれを達成した時の達成感をイメージできるかどうかということも大事です。
今の自分の能力から考えてギリギリできるかのラインの時に、人はモチベーションを強く感じます。難しすぎても簡単すぎても、やる気を損なう原因になります。
同僚・上司などとともに頑張っているという連帯感
人は基本的に周りとの意思を共有することが好きです。
大勢の中で自分だけ意見が違うと不安を覚えます。
仕事においても、部署のメンバーが同じ方向に向かって努力することは、人の基本的な欲求を満たすのです。
部署の中で自分だけが頑張っている状態では中々やる気を保つことは難しいでしょう。
正当な評価を受けているという納得感
同僚や上司からの評価はもちろんのこと、成果に応じた昇給などの報酬があれば更にやる気を高めることもできます。
収入がすべてとは言いませんが、正当な評価で得られる収入は立派なモチベーションの源泉ですし、更に頑張ろうという気持ちも起こさせてくれるでしょう。
具体的にモチベーションを上げる方法
上記に挙げたモチベーションの源泉が、以前はあったのに欠けてしまったり、職場の環境的に感じることが難しいと、残念ながらやる気はどんどん冷めてしまうでしょう。
やるべき仕事が大きく達成が難しいほど、強いモチベーションが必要となります。
「〇〇だから頑張ろう!」と思えるかどうか、ということです。
動機が何もなくとも頑張れることは崇高ではありますが、やる気を継続させるにはやはり原動力が必要です。
では、そんな時にやる気を引き起こすにはどうすれば良いのでしょうか。
以下のようにまとめてみました。
書き出す
入社当初にあったモチベーションの源泉を思い出し、それを書き出すことです。
いわゆる「初心」というものです。
年月が経ち、仕事に慣れたことで忘れてしまっている場合にはとても有効です。
たとえば「〇〇先輩のように仕事ができるようになりたい」といったことです。
「〇年〇月までにチーム長に昇格する」といった具体的なリミット付の目標に書き換えると更に効果的です。
今の行動が何につながるかを考える
やりがいを感じないのは、今やっていることに意味を感じないということも原因になり得ます。
上に述べた「モチベーションの源泉」が明確になっても、いざ仕事を始めると、つまらない地味な仕事の繰り返しに感じられる、または仕事が大きすぎて途方もなく感じてしまうという時です。
そんな時は、その仕事が自分の達成したい仕事にどうつながるかを考えてみましょう。
たとえば上記の「昇格」を目標とすると、掃除などの簡単な雑務はつまらなく感じてしまうかも知れません。
それを「いずれチーム長として部下に教えなければならないからまず自分が学ぶんだ」と、仕事の意味を変えてしまえば楽しむことができます。
逆に、大きすぎる仕事は分割して考えましょう。
重要な取引の商談だとしたら、「相手先の調査」「商材についての勉強」「プレゼンの準備」「訪問」というように、1つずつ仕事を分けて目先の仕事をラクにしましょう。
富士山に登るときに一気に頂上を目指すのではなく、1合目、2合目と少しずつ登っていくのと同じです。
周りを巻き込む
連帯感を持ち、達成感を味わうにはこれが最適です。
自分が持つ目標を他のメンバーにも共有したり、全員共通の一つの目標を決めると自然と連帯感が生まれます。
目標を共有する際には、昇格や収入といった個人的なことではなく、「この部署で社内一番の成果を取りたい!」「会社の上半期予算を3か月で達成させてライバル社に差をつけよう」といった他メンバーへの利益や社内全体の成長を考えたことを目標として伝えると協力も得やすくなります。
簡単なものから取り掛かる
上記のそれぞれ実行しても、取り掛かる時にどうしてもやる気が出ない時は、一番簡単なものから取り掛かるのがおすすめです。
例えばプレゼンの資料作成であれば、デスクトップ上にファイルを作成し、大見出しだけを作るなどどいう、仕事の骨組みになるところだけを先にやってしまいます。
そのほかの仕事でも、必要な道具をまずそろえる、必要な資料を使う順番に並べる、といった準備だけをしてしまうのです。
そうして足がかりを作ると、停止していた思考が働き始めやすくなるのです。
1から100を作り上げるよりゼロから1を作る時の方が労力を必要としますが、そのゼロから1を始めやすくするためです。
それでもモチベーションが上がらないときは
一時的にはモチベーションが上がるけど長続きしない場合でも、何度か繰り返していくうちに習慣づいていけば維持することができるようになります。
しかし、色々やってみてもモチベーションそのものが上がらない場合もあります。
もしくは職場環境によっては何も変えることはできない場合もあると思います。
例えばワンマン経営者のもとで働き、同僚など仲間も居ない(もしくは仲間のモチベーションが低すぎる)、仕事内容もひたすら同じとことを繰り返す中では成長を望むことは難しいでしょう。
それでも仕事と割り切って、職場にそれを求めずにひたすら働く、という方法もあります。
ですが、自分と同じ能力・スキルでもっと楽しくやりがいを持って、正当な評価のもと働いている人は必ず居ます。
それならば転職を考えるのも決してワガママではありません。
自分を最大限生かせる職場を見つけて、やる気を取り戻している人も沢山います。
そのため、ある程度の年数働いているがここしばらく仕事に対してのやりがいを感じなくなり、かつ現在の職場環境ではやりがいを得ることが難しい場合は、転職を考え、積極的に活動することを考えるようにしましょう。