面接において、女性の場合、「結婚したり出産したしした後も、働く事はできますか?」といった質問をされることがあります。
本来は、男性には聞かない質問を、女性だけに質問することは禁止されています。
しかし、面接官が同じく女性であったり、選考が進んで経営者などが出てきたりすると、率直に、「結婚したらやめない?赤ちゃんできても、続けてくれる?」などと聞いてくる場合があります。
このような時に、どのように答えるべきでしょうか?
今回は、転職を希望している人が面接において、結婚や出産後も働けるか?と聞かれたときに答えることについて解説します。
転職者は、きちんと答える必要がある
新卒の場合は、「結婚や出産は考えておりますが、そのような状況になったときに、改めて考えます」と答えることができたでしょう。
新卒の就職活動の頃は、誰もが20代前半と若く、結婚出産が遠い未来のことであるからです。
しかし転職の場合はそうはできません。転職を希望しようとする多くの人が20代半ばから30代前半であるためです。
この時期の女性には、キャリアの継続とともに、結婚と出産をどのように考えているのか、採用側の会社もいろいろ不安を持っています。
当然採用の担当者は、採用した人が、短い間でやめてしまうかどうかを心配しているのです。
もちろん男性の場合であっても心配はありますが、女性の場合は、出産結婚の年齢の人の場合、それを理由として早期退職するパターンが多いからです。
そのため、この年齢層にいる女性は、できれば転職の際の面接では結婚や出産についてのことを聞かれることを想定して考えておきましょう。
「その時に考えます」と答えているようでは、キャリアをしっかり考えていないとか、人生全体を甘く見ていると判断されてしまう可能性があります。
今、結婚や出産について直面していないとしても、転職を決意した際には、きちんと自分の中で整理しておきましょう。
結婚、出産についてきちんと考えておく
もしあなたに、結婚の予定がある場合は、結婚する相手とよく話し合っておきましょう。
仕事と、家庭をどのように両立させますか。
相手からは協力してもらえますか。
夫婦以外に、協力してくれる人はいますか。
子供ができたときに、仕事が続けられる状況ですか。
必要がある人は、結婚相手や家族とともに事前に話し合っておきましょう。そうすることによって、面接で聞かれても具体的に答えることができます。
結婚や出産年齢に差し掛かっている人が、これらのことを考えておらず、面接でも答えられないと、状況判断力や計画力がないと思われても仕方がありません。
採用を検討している会社は、人材を育成しなければなりません。
一旦採用した人材は、長い間かけて、教育して、戦力にしようとしています。あなた自身がそれに応えられる状況ですか。
それも含めて、あなた自身の自分の将来をしっかり考えておきましょう。
女性を長期雇用しようと考えているから質問する
会社にもよりますが、面接の段階で、「結婚や出産した後も働くことができますか?」と聞く会社は、女性を長期雇用して、育てようとする意識を持つ会社である可能性が高いといえます。
育児休業の制度が機能していて、採用後も結婚出産、長期働く制度が整っている会社です。
そのような会社からすると、結婚や出産でやめてしまう人よりも、結婚出産があったとしても、働き続けてくれる人の方を採用したいわけです。
そういった女性が長く続けられない会社は、面接でこのようなことを聞く事はあまりありません。
むしろ、「当社は育児休業を取得する社員の実績がありません」などと言って、暗に、女性の出産や育児に対して否定的な社風を示そうとすることがあります。
そのため、「結婚したり出産したりしても働いてくれますか?」という聞き方をする会社は、長期雇用の制度があるはずです。
もしあなたが、そのように結婚出産後も働き続けていきたいと考えているならば、このような質問には上手に答えて内定を得られるようにすると良いでしょう。
結婚や出産の予定について聞かれた際の答え方例文
では、具体的に結婚や出産の予定について聞かれたときにどのように答えたら良いか、例文を見ていきましょう。
結婚の予定は全くない場合の答え方例文
今のところ私は、結婚する意思がありません。
せっかく今まで、〇〇職について勉強を重ね、キャリアを築いてきました。
それなのに、結婚で縛られて、キャリアをストップしたくないというのが理由です。
今は仕事がとても楽しくて仕方がありません。この仕事を極めるまで、当分、結婚して出産をしようとは思わないと思います。
これは私の価値観であり、いろいろな人が助言してくださいますが、今のところ結婚の予定はありません。
そのため一緒にもしご縁があった場合も、結婚を考えずに、キャリアの継続をしていきたいと存じます。
結婚の予定はあるが、継続して働きたい場合の例文
結婚をしても、働き続けたいと考えています。
現在結婚を前提に交際している人はおりますが、もし本当に結婚ということになれば、相手とともに共働きの家庭を築いていく予定です。
もちろん相手は私が仕事をすることに協力的です。
相手とは、何度もそのことについて話し合っております。
そのためもし御社とのご縁があれば、結婚をした後も、継続して、貢献できればと考えております。
すでに結婚しているが出産の予定はない場合の例文
私は既婚者ですが、今後出産の予定がありません。
私ども夫婦は、子供を持たないことを決めております。
子育てに労力を取られるよりも、お互いが好きな仕事をして、お互いに協力しあって家庭を築きたいと言う考えでおります。
そのため、今後出産で仕事を休んだり、やめたりする事はありません。
出産の予定はあるが働き続けたい場合の例文
私は結婚をしておりまして、今後子供を持ちたいと思っております。
しかし仕事は継続したいとも思っております。
以前の職場では、出産や育児を経験しながら、立派に仕事を続けてきた女性の先輩がいました。そのように良い例をたくさん見ております。
そのため、私にもできると思っております。
夫とも、子供持ちながらのキャリアについてはよく話し合っております。
夫も協力的で、ぜひ子供を持ちながらも働き続けて欲しいと言う意見です。
そのため、もし御社でご縁があった場合は、子供を産み育てながら、勤務を継続させていただければと考えております。
結婚や出産を家族が協力してくれる場合の例文
私は、現在結婚を前提に交際している人がおります。
その人は、フリーランサーですので、結婚後や出産をした後も、家事を大半分担してくれると言っています。
また、相手の両親や、私の実家も、近くにあります。相手の両親も私の父母も、子育てに協力してくれるという意見です。
また今後は、夫となる人の家族と同居も考えております。
そのため私がフルタイムで働くことに、協力してくれる人はたくさんいます。
出産後もぜひともがんばって働いてくれと言われています。
継続勤務したいが転勤だけはできない場合の例文
私は結婚しており、今後子供を持つことも考えております。
私は夫の両親と共に住んでおりますので、夫の両親が家事を全て引き受けてくれています。子供を得た場合も、子育てに協力的だろうと思われます。
夫の両親と同居していますので、この家から離れることができないため転勤だけはできませんが、この通勤圏内であれば勤務に支障は全くありません。
長く勤務したい、仕事をしたいと言う熱意が大事
結婚、出産をどのように考えているか?と面接官から聞かれると、妙齢の女性は不利なのではないかと考えてしまいがちです。
しかし、前述のとおり、むしろこのような質問をする会社の方が、女性の長期活用を考えているケースもあります。
もちろん、会社によってはその質問の意図に「会社に入ったら、結婚も出産もせずに、プライベートを犠牲にして働いてくれますよね?」と言うニュアンスを含ませるところもあります。
このような会社に入社するかどうかは、あなたの判断になりますが、前に述べたように、結婚、出産を経ながらどのようにキャリアを築いていくかを自分で考えていれば、自ずと答え方が決まってくるはずです。
「結婚、出産後も働けますか?」という、採用側の質問の本質を見極めるようにしましょう。
もし、女性を長く活用し育成したいと考えている会社の質問であれば、「しっかりと長く勤務したい、仕事をしたい」という熱意を伝えて下さい。
そして、長く勤務できる根拠や、サポート体制や、結婚出産への考え方を、具体的に丁寧に語るようにしましょう。
そうすることによって、結婚したり出産したりした後も長く働ける会社へ転職することができることでしょう。