転職するかを迷っている段階の人が相談するべき相手の選び方

転職に成功する方法

転職するかどうかを迷っている段階にいる人は、誰かに相談して、悩みを共有してほしいと思うことでしょう。

人生がかかっている転職であれば、自分一人の選択が正しいのか不安になるため、人の意見を聞きながら判断したいと思うのは当然のことだと思います。

もちろん、最終判断は自分で行うべきです。

ただし、その前にいろいろな側面から意見をもらうことも大事です。

今回は転職するかどうかを迷っている段階の人の「相談相手」について考えてみましょう。

自分の本心を正直に認める

まず、転職しようかどうか迷っている段階の人は、一度自分の本心を探ることから始めてください。

誰かに相談するのは、その後です。なぜなら、あなたの「本心」次第で、適した相談相手が変わるからです。

ぜひ、1時間程度時間を取って静かな場所で目を閉じ、自分の心と向き合ってください。

「自分の本心がわからないから、誰かに相談したいのだ」と思うかもしれませんが、その状態で転職などという重大な決意をしたら、必ず後悔します

最後の決断は自分でしなければいけないことは、わかっているはずです。

そのため、まずはざっくりで良いので、自分の本心を感じ取りましょう。

以下の3つの選択肢のうち、あなたの本心に一番近いのはどれでしょうか。

1)本音を言うと、働きたくない。でも、そんなわけにはいかないから、とにかく今よりも楽で、まあまあの給料がもらえるところに移りたい。

2)できれば転職して、環境を変えたい。収入や労働環境が良く、自分の適性を活かせて、もっとやりがいを感じられる職場を見つけたい。

3)何としても転職したい。いろんな事情があって今の会社に居続けられない。転職するしかない。

ここで大事なのは、本音を自分で認めることです。

自分の本音を認めずに、自分に嘘をつきながら誰かに相談などをしても、何も参考にならないし、混乱するだけだからです。

本心など誰にも言わなくてもいいですし、恥ずかしがる必要もありません。

あなたの本心は、1~3のうちどれに近いでしょうか?それぞれの本心に適した相談相手を今から見ていきましょう。

1、「働き方」そのものを模索している人

上記の選択肢のうち、本心が1に一番近い人は、どのような状態にいるのでしょうか。

おそらく、まだキャリアの形成について、自分で真剣に考えることができていないと思われます。

むしろ、「働き方」を模索している段階ではないでしょうか。

それは、若い人であれば誰もが通る道であり、あなただけではありませんから、決してがっかりする必要はありません。

「本当は働きたくない」「楽にしていたい」と思うのは当たり前の感情であり、今頑張っているからこそそのように感じるのです。

そして、そのように感じながらも、「本当に楽な働き方でいいのか」「そのような都合の良い職場などあるのだろうか」と考えているのではないでしょうか。

今のあなたが「仕事」というきっかけで感じ始めた、この悩みの本質的な部分は「自分が何をしたいのかわからない」「働くというのは、そもそもどういうことか」といった哲学的なもののようにも思います。

この状態の人にとっては、転職が解決になることは少ないでしょう。

とはいえ、転職活動をきっかけに、自分が何をしたいか、働くことに意欲を持つとはどういうことか、自分の適性はどこにあるのかが見えてくることも十分考えられます。

以下の基準で相談相手を検討してみてください。

転職を経験したことのある友人

あなたの身近な友人や先輩で、転職を経験したことがある人がいたら、その人に一度相談してみましょう。

相談というよりも、「転職って、実際のところどうなの?」といった、軽い情報収集の方が良いかもしれません。

転職を経験したことがある人であれば、現実はそれほど甘くなかったとか、良かった点もあるが、悪くなった点もあるといったことを教えてくれると思います。

ジョブカフェ

ジョブカフェとは、「若年者のためのワンストップサービスセンター」とされています。

若年者といっても44歳までと年齢層は幅広く受け入れてもらえます。

全国のジョブカフェ所在地

運営主体は都道府県で、多くは県庁所在地にあります。

ハローワークも併設しているところもあり、職に関するカウンセリングから面接指導、求人情報の閲覧から職業紹介など、色んなサービスを一か所で受けることができるものです。

自治体が運営しているのですべて無料です。

運営コンセプトが「気軽に立ち寄れるカフェのような職業支援相談所」であり、ハローワークのような「失業者の支援」というよりも、もう少しカジュアルな雰囲気に作られています。

といった悩みを、気軽に無料で相談できます。

利用者は学生からフリーター、第二新卒の人や転職に悩んでいる人までさまざまです。

ハローワークのように「就職援助」にフォーカスしていませんから、相談内容はかなり柔軟に選べます。

例えば「働き方がわからない」「適性がはっきりしない」「転職したいが本当にいいか」「仕事がいやだ」「働きたくない」「怖い上司がいるが、パワハラではないか?」といった悩みや、漠然とした相談も聞いてくれます

話しを聞いてもらって、客観的な意見をもらうだけでも、気持ちが整理できるものです。

そのため、もしあなたが今転職について漠然と悩んでいるなら、ジョブカフェで相談してみて、そこで「転職したほうがいい」という助言を受ければ、本格的に活動してもいいでしょう。

キャリアカウンセラーや臨床心理士といった人が相談にあたっているので、友人に相談するよりも、客観的な意見をくれます。

求人情報そのもの

「求人情報」は、人ではありませんが、大変役立つ相談相手になります。

やりたい仕事が漠然としていたり、そもそも仕事などしたくないと思っていたとしても、一度求人情報をパラパラと見てください。

転職サイトに登録すると、色んな求人情報をたくさん見ることができます。

なぜ、求人情報そのものが相談相手になるのでしょうか。

それは、情報を見ていると、「この仕事は面白そうだ」という求人もあれば「こんな仕事は絶対イヤだ」と感じる求人がわかってくるからです。

その傾向を自分でメモしておき、後から客観視してみると、自分に向いている働き方や興味のある職種が見えてきます。

さらに、給料や勤務時間、勤務地などの条件も何気なく眺めていると、今まで見過ごしていたけれど、重要なポイントがわかるようになります。

つまり、「給料の額なんて気にしないと思っていたけれど、やっぱりすごく気になる」「完全週休2日は当たり前だと思っていたけど、そうではない会社も結構ある、嫌だな」などです。

そして、出ている求人と、今の会社の条件を冷静に比較してみてください。

世間の標準的な労働環境と比べてみて、今の労働環境はどうでしょうか?

転職したいと思っているだけではなく、実際の世間の労働条件を比べると「今の仕事で頑張った方がマシかも」と感じることがあるかもしれません。

逆に「今の労働条件は悪すぎる、転職活動をしたほうがチャンスが広がるな」と思うかもしれません。

いずれにせよ、求人情報は「世の中にはこんな仕事があるよ」とか「世間の労働条件はこのような感じだよ」という事実を的確に教えてくれるので、漠然と働き方を模索している人にとって最適な相談相手となります。

2、問題解決の方法を探している状態

上記の選択肢のうち、本心が2に一番近い人は、どのような状態にいるのでしょうか。

おそらく、今の職場に不満や物足りなさがあるのだと思われます。そして、その解決策の一つとして「転職」を候補に挙げているのです。

もちろん、転職することは解決策の候補の一つですが、それ以外にも解決策があるはずです。そのあたりについて、あなた自身もうっすらと感じていると思います。

だからこそ「転職するのがベストなのか、あるいは?」「自分には何が足りないのか、どうすれば満足のいく働き方ができるのだろうか」と、悩んでいるのではないでしょうか。

この段階の状態の人は、焦って転職してしまうと後悔することが多いのは事実です。

しかし、あなた自身を取り巻く事情や環境を知らない人が、一側面だけを判断して「今は転職をやめておくべき」と言えるほど簡単なものでもありません。

そのため、この状態の人も、あなた個人の事情を話して、参考になる意見を言ってくれる人に相談をするといいでしょう

あなたの性格を知り、辛口意見をくれる友人

この状態の人は、あなた自身の性格を知っていて、辛口な意見をはっきり言ってくれる友人に相談してみましょう。

重要なのは、あなた自身の性格的傾向や、考え方のクセ、生き様のような本質的なところを知っている人に聞くということです。

我々は気づかないうちに、偏った考え方で物事を見ているものです。

主観(自分だけの意見)だけで外を見ていると、思い込みだけで勝手に判断したり、損な選択をしたまま気づかなかったりすることがあります。

そこに気づかせてくれ、視野を広げるための意見をくれる友人に相談しましょう。

今の職場でどのような仕事をしているか、なぜ転職しようと思っているのかを話し、自分の選択についてどう思うか、どんどん意見を言ってもらうようにしましょう。

女性はこのような相談は得意ですが、男性は少し勇気が要るかもしれません。

しかし、あなたの性格を知る人からの率直な意見ほど参考になるものはありません。

意外な解決策を助言してもらえることもあるでしょう。

同業同種を知る人

あなたの同業で、かつ同じ職種に携わっている人に、転職について聞いてみましょう。

それは、上記のような「あなたの性格」といった内面ではなく、「仕事」にフォーカスして働き方について相談するということです。

同業同種を知っている人であれば、今のあなたの働き方が正しいのか、あるいは転職してステップアップしたほうが良い状態であるか、適正な待遇を受けているか否かについて、客観的な意見をくれることでしょう。

また、転職以外にも、あなたの悩みを解決してくれる「働き方の助言」をしてくれることもあります。

キャリア指導の専門家

同業同種を知る人に相談できるといいのですが、なかなか見つからない人もいると思います。

職場の先輩や同僚には、転職について相談しないほうが良いため、他社に所属していて、あなたの仕事内容について知っている人がベストです。

ただしそのような人は見つかりにくいので、その場合は転職サイト(エージェント)でキャリア指導をしてくれるコンサルタントに相談するのも一つの方法です。

これらの人は、もちろん「転職すること」を前提に相談を聞いてくれます。

しかし、必ず転職を決意しなければならないものでもありません。

今行っている仕事が本当に自分に適しているのか、転職以外にも解決方法がないのだろうかといった、本音を話せば、あなたに合った意見をくれます。

適性診断のようなものを軽く受けて、今後の働き方を指南してくれることも期待できます。

あるいは、ハローワークや地域の労働相談を受け付けている窓口でも、キャリア指導の専門家がいます。

ハローワークには職業相談員という人が、無料で随時相談に乗ってくれる窓口があり、すべて無料で利用できます。

役所であるため、相談員のレベルはさまざまですが、ある程度の職業知識があり、賃金の相場や求人の動向なども調べてくれます。

一度相談に行って、もしそのときの担当者と相性が悪ければ、別の日には違う人に相談することもできます。

意外と相談に行くと「あなたのその仕事でそれだけの給料をもらっているなら、適正な待遇ですよ」「今のあなたの状態なら、転職はしないほうがいいかもしれません」といった意見をもらえることもあります。

ハローワークの相談員は、転職サイトのコンサルタントよりも転職を誘導してこないため、担当者によっては転職の是非について率直な意見をくれるので、参考になります。

3、本当に「転職」を決意している状態

上の1~3のうち、3が一番自分の本心に近いと感じた人は、心の奥でも転職を決意している人だと思われます。

もちろん、そう決意する事情はさまざまでしょう。

今の仕事に居続ければ、身体を壊してしまうようなブラック企業で苦しんでいる人もいるかもしれません。

あるいは、自分のキャリアをしっかり考えて、違う職場に移って成功したいと考えているのかもしれません。

給料が安すぎて生活できないため、今よりマシな生活をするためには転職しかないという人もいるでしょう。

いずれにせよ、本心から「転職する」という決意をしている状態の人は、相談する人を以下の基準で選んでみましょう。

背中を押してくれる人

本心では転職を決意しているというのに、迷いがあって動けない人の多くは、相談してはいけない人に相談して、足を引っ張られていることがあります。

そのため、この状態の人が相談すべき人は、あなたの本心を知り、背中を押してくれる人です。

例えば、楽天的な友人や、チャレンジ精神の旺盛な知人などが良いでしょう。

気持ちが明るくおおらかで、細かいことをくよくよ考えない楽天的な人は、高い確率で「いいんじゃないかな。思い切って転職してみなよ!」と励まして背中を押してくれるはずです。

また、チャレンジ精神の旺盛な人は、「人生一度なのに、挑戦しないのはもったいない」「楽しく充実した未来があるかもしれないのなら、賭けてみる価値がある」「若いうちに、苦労も含めて色々な体験をした方が、絶対に深みのある人間になれる」などと助言してくれるでしょう。

こういった人に相談することで、勇気が出てきますし、気持ちも明るくなるはずです。

間違っても、親や職場の同僚などに相談してはいけません

親や職場の同僚が、あなたの転職を良く思うわけはありません。

必ず転職のマイナス面にフォーカスして「次へ行ってもまた同じことになる」「転職しても、給料が下がるだけだ」と言うでしょう。

一理あるかもしれませんが、あなたの本心がすでに転職する方向で決まっているのであれば、わざわざ反対意見を言いそうな人に相談して、動揺する必要などないのです。

転職の情報提供をしてくれる人

色んな事情があり、本心から転職を決意しているのに、「転職すべきか迷っている」という人は、情報が足りないから迷っているのです。

どこに応募すればいいのか、そもそも自分の適正な市場価値はどの程度なのか、本当に自分の年齢で雇ってくれる企業はあるのかどうか。

こういった情報が少なければ、判断材料がないために、不安になって迷うのは当たり前です。

そのため、この状態の人は、できるだけ多くの転職サイト(エージェント)に登録し、情報提供をしてくれる人から助言を受けてください。

情報が偏ると、判断材料も偏ります。

集められる情報はたくさん集めるという「行動」をすることで、迷いが少なくなってきます

さらに、転職をしたいという気持ちが強くても、履歴書の書き方や面接ノウハウなどが乏しいまま、やみくもに活動しても受かりません。

受からない活動を繰り返していくうちに「自分を採用してくれる会社が見つからない」という悪循環になり、「本当は、転職などしない方がいいのだ」という気持ちになってしまいます。

転職の技術が足りないために現職に留まるというのは、単なる諦めであって、主体的な選択ではありません

後々の後悔につながるので、情報提供をしてくれる人に積極的に相談をしてみましょう。

一番の相談相手は「自分自身」

誰に相談するにせよ、はじめに行ったように「自分の本心はどこにあるのか」を理解しておかなければいけません。

そうしないと、自分を見失ったまま「転職を勧められたから転職したけど、こんな仕事やりたくなかった」「本当は楽をしたかっただけなのに、転職したらもっとノルマのきつい仕事になってしまった」などの失敗につながりやすいからです。

私たちはどうしても重大な決断をするときに限って、外部の人や情報に頼ろうとしてしまいます。

情報を集めることや相談することは全く悪いことではありません。

しかし「自分の本心」を意識しないままに相談を繰り返していても、振り回されるだけです。

ぜひ一度、プライドを捨てて自分の本心を探ってみましょう。

一番の相談相手は自分自身です。

転職するかしないかの決断も、自分でしなければならないのですから、早い段階で自分を相談相手に選ぶようにしましょう。

そのうえで、自分の本心に最適な相談相手を選んで、効率よく転職活動をしてください。

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