転職を希望する応募者は、求人側の会社に履歴書や職務経歴書を送ります。そして面接を数回受け、採用内定の獲得というゴールに向かって進むわけです。
しかし、この応募書類と面接の中で、一つでも致命的なNG行為があると、一発で不採用となります。そこで今回は、うっかりミスをして不合格にならないために「絶対してはならないNG行為」を紹介しましょう。
履歴書・職務経歴書のNG
履歴書や職務経歴書は、一次面接のときに持参する場合と、事前に郵送しておくケースがあります。
事前郵送のほうが求人側の会社でじっくり分析されます。
見る時間を取ることができますし、多くの人が色々な視点で読みます。そして面接に呼ぶか、書類の段階で落とすかを判定している会社も多いです。
以下は、履歴書・職務経歴書で絶対行ってはならないNG行為です。一つでもあれば、書類の段階で落とされるのが必至と認識してください。
履歴書をコピー
履歴書は応募する企業ごとに一枚一枚丁寧に書くのが基本です。複数の会社に応募する場合は、履歴書を書くだけでも大変疲れるのはわかります。
しかし、履歴書をコピーするのは絶対にしてはいけません。
コピーした履歴書を受け取った会社の担当者は、どのように思うか想像してみましょう。
コピーされている履歴書から、あなたが複数の会社に応募していること、そしてどこからも内定が得られていないであろうことが簡単に推察されてしまいます。
採用担当者は、履歴書から、応募者の人柄や自社への思い入れなどを感じとります。一枚一枚丁寧に書くのは骨の折れる作業ですが、「思い」を込めて書いたものは必ず相手に届きます。
履歴書に修正液
履歴書を最後のほうまで書き上げたのに、些細な誤字で最初からやり直し、ということもあります。
せっかく苦労して書いたので何とかしたいと、修正液で直そうとする気持ちもわかります。しかし修正液で訂正するのはやめましょう。
履歴書はあなたが思っている以上に「人柄をあらわすもの」と判断されています。
たとえ小さなミスであっても、本来ならすべて書き直すべき書類に「ごまかし」「適当な修正」を入れてしまっては、あなた自身が「ごまかしをする人」「適当にミスを修正する人」と推察されます。
履歴書にスナップ写真
履歴書には写真貼付スペースがあります。
ここには通常、プロに撮ってもらった就活用の写真か証明写真などを貼るのが一般的です。
しかしスナップ写真のようなものや、紙にプリントアウトしたデジカメ写真を貼る人がいます。
ひどいケースだと、旅行先で家族などと撮ったような写真のうち、自分のところだけを切り取って貼り付けていることもあります。
さすがにそこまでする人は少数ですが、写真は履歴書の中でも最重要箇所であるため、一番気合を入れて作成しなければならないのです。
写真の印象によって、一次面接に呼ぶか否かを判断されることもあるくらいです。
履歴書の写真は、プロの写真屋さんに撮ってもらうのがベストです。
プロの写真屋さんであれば、就職活動、転職活動用の写真はどのような表情で撮れば印象が良くなるかをよく知っています。
「履歴書用です」「営業職として採用されたいと思っています」と写真屋さんに相談すると、あなたが一番印象よく映る方法を一緒に考えてくれます。
履歴書用の写真は、面倒であっても一手間かけましょう。スナップ写真やデジカメ印刷写真を貼付するのは厳禁です。
西暦・和暦が混在した職務経歴書
職務経歴書において、入社から現在に至るまでの職務経験を記載するときに、西暦(2016年など)と和暦(平成28年など)を混在させて書いている人がいます。
西暦で書くのも和暦で書くのもどちらでも自由です。しかし西暦か和暦かどちらかに統一しなければいけません。
採用側の担当者は、職務経歴書から応募者のキャリアをイメージしながら読んでいます。
西暦で書かれていれば、西暦で年代を追って読んでいきますが、そこに突然和暦での表記が混じっていると、年代を切り替えなければならず面倒なことになります。
職務経歴書などの応募書類は、読む人がストレスにならないように配慮して書かなければなりません。
読む人の気持ちを考えず無配慮な書類を作成する人は、もし採用されても職務上も気配りができない人であると判断される可能性があります。
職務経歴書が4枚以上
職務経歴書は、できるだけコンパクトに、多くても3枚以内にまとめなければいけません。
4枚以上になってしまうのであれば、要点がまとまっていない可能性があります。
ひどいケースになると、今までの職務経歴をストーリー仕立てで10枚以上の取り留めのない資料に仕立ててくる人もいます。
応募者が少ない会社であれば、まだ読んでもらえるかもしれません。しかし一度の求人で、数百名の応募を受ける会社もあります。
職務経歴書が3枚以内にまとまっていなければ、読んでもらえる確率が下がってしまいます。
忙しい採用担当者であっても、およそ1分以内に読み終わることができ、要点がスムーズに伝わる職務経歴書を作成しましょう。
枚数と熱意は比例しません。わかりやすく、読むのにストレスのかからない資料が、一番思いが伝わる資料となります。
面接日のNG
面接はあなたと会社が初めて相性を確認しあう大事な日です。
面接の中身(志望動機や自己PRなど)はもちろん、「人としてどうか」も厳しく観察される日です。
面接の中身がいくらよくても、致命的なNG行為が一つでもあると、残念ながら不採用の確率が高まります。面接日に絶対控えたいNG行為は以下のようなものです。
予定より15分以上早く到着
学生時代の就活と同じように、会社説明会の感覚で面接会場に15分以上早く到着する人がいます。
転職での面接は、新卒の面接と異なり個別で面接をします。
しかも面接会場は会社の応接室などが多く、採用担当者は通常の業務と並行して面接を行います。
会社に15分以上早くに到着されてしまうと、採用担当者は自分の業務を中断して応募者の対応をしなければなりません。
場所が空いていなければ、待機場所の確保も同時に必要になります。
このように早く来社されてしまうと、予定や段取りが狂ってしまうためとても迷惑なのです。
「早く行った方がやる気がアピールできるだろう」というのは、学生であった新卒採用までです。そのため約束時間の5分~10分前より早く会社に訪問してはいけません。
道に迷って電話で道案内依頼
応募者の中には、面接会場がわからず道に迷ってしまう人がいます。
途中で採用担当者に電話をかけてきて「今○○というところにいるのですが、どのように行けば御社にたどり着きますか」と電話で誘導を依頼する人がいます。
求人情報には「アクセスがわからなければ、お気軽にお電話ください」と書かれているものもあります。しかし真に受けて「迷ったら電話して教えてもらえばいい」と思っていてはいけません。
連絡せず数分遅刻
早すぎる到着もいけませんが、遅刻もいけません。
1分であっても、遅刻は遅刻です。数分の遅れであれば、連絡する方が迷惑だろうと思うからか、何もなかったかのように訪問する人がいます。
しかし1分であっても時間を守れない人は、ビジネスパーソンとして失格です。入社した後も、約束を守れないだろうと推察されてしまいます。1分でも遅れそうなときは、事前に電話連絡をしましょう。
そして、到着したら「遅れまして申し訳ございません」と謝ります。
トイレで長居
面接で会社を訪問したときは、やむを得ない場合以外は、トイレは使わないほうが無難です。
例えば、ある応募者は時間つぶしのために、トイレでメイクを直したり、携帯をいじっていたりして長居していました。
当然、その会社の社員とトイレですれ違うことになりますが、いちいち挨拶をするのも変なので黙っていました。
しかし面接室に入ると、先ほどトイレですれ違った社員が面接官であったのです。
面接官である社員は、この応募者のトイレでの態度と面接での態度にギャップを感じ、不採用としました。
トイレなど、プライベートな場所では誰もが気を抜くものです。そうすると思わぬ行為がマナーの悪さやふてぶてしさと感じさせてしまうことがあります。そのため、応募企業のトイレをデパートや駅ビルのトイレのつもりで使うのはやめましょう。
面接時間以外で態度が悪い
面接を受ける日は、まず会社の受付を通り、控室などで待つことになるのが一般的です。
この「控室」などのような場所で、気を抜いて態度が悪くなってしまう人がいます。
スマホや携帯をいじったり、足を組んで座ったり、イライラした表情をしていたりなどです。
ある会社の役員は、社員採用の面接を担当するとき、控室から面接に入るまでの応募者の様子を秘書に観察させ、後から「表情はどうだったか」「態度は良かったか」などを確認しているそうです。
人目のないところでは横柄な態度をとる人ではないか、場面によって態度をガラッと変える人ではないかといった視点で応募者を見ている場合もあるのです。
このように、受付から控室、控室から面接室までは、誰かが観察していると思って間違いありません。会社の建物に入ったら、もうそこは面接会場です。
気持ちがゆるんだり、横柄になったりしないように注意しましょう。
面接会場までの交通費を請求
学生時代の就活と同じように、遠方からの応募には交通費が出ると思っている転職者がいます。
しかし中途採用の転職面接では、一次面接ではほとんどが交通費は支給されません。
二次面接あたりから少額の交通費を支給する会社もありますが、遠方から応募する場合でも、交通費は応募者の負担が一般的です。
ある転職希望の応募者は、面接では非常に順調に好印象を与えていました。
しかし最後に「恐れ入りますが、今回の面接における交通費はどのように支給されるのでしょうか」と最後に質問してしまいました。その発言が原因で、「考えが甘く非常識だ」と判断され、採用は見送られてしまいました。
同じく、遠方からの応募で「採用されたら、転居にかかる引っ越し費用や家賃は負担していただけるのでしょうか」といった質問をする人もいます。
これも、中途採用では厳禁の質問です。
基本的に中途採用の転職者は、「収入のある自立した社会人」として扱われます。遠方からの応募であっても、採用されたあとは自分の責任で転居するのが当然とみなします。
どうしても採用したいほどの人材であれば「転居費用を支払うから入社してほしい」というオファーをする場合があります。
しかし一般求人であれば、採用後の転居にかかわる費用は応募者側が負担するのが常識です。
交通費や転居費用などの「経費」の支払いを求めるような発言をしないように注意しましょう。
このように、応募書類と面接の中で一つでも致命的なNG行為があると、不採用となる可能性が高まります。
ただどの行為も、少し気を付ければ防ぐことができるものばかりです。これから転職活動で履歴書を書いたり面接を受けたりする際には、十分注意していきましょう。