遠方からの応募で面接を受ける人は、交通費もばかになりません。
転職の場合は、応募者は学生ではなく社会人であるため、交通費は支給されないことが多いようです。今回は転職面接のときの交通費について解説します。
交通費は支給されないのが一般的
転職を機会に地元に帰省したい人や、遠方での就職を希望している人は、今住んでいる場所以外の会社へ応募することがあると思います。
そうなると、毎回面接に行くための交通費が必要です。
面接の際に交通費を支給してくれる会社もあります。しかし、一般的に中途採用の応募者に面接への交通費を払う会社は少ないです。
基本的に中途採用の転職者は、学生ではなく「収入のある自立した社会人」として扱われます。
遠方からの応募であっても、自分の意思で応募するのであれば、必要な経費は自己負担してもらうというのが基本的な考え方です。
一部、交通費を払う会社もある
ただし、面接の交通費を払うか否かは、会社によって違いがあり、一部には払ってくれる会社もあります。
一つは、「面接の交通費を支給」という条件にすることによって、遠方からの応募者を集めようといった採用戦略をとっている会社です。
田舎の会社や交通が不便な場所にある事業所だと、交通費がネックとなり応募者が限られてしまうことがあります。
近くのレンタル会議室などで面接を行うこともできますが、自社に来社させたいと思っている会社もあります。
その場合、交通費を支給すれば、多くの応募者を遠方から集め、自社にて面接をすることができます。
このケースでは、たいてい求人情報にも「面接の交通費は支給します」と書かれていることが多いようです。
また、一次面接の段階では不支給であっても、二次面接から一定額支払うという会社もあります。
また、内定した人のみ今までの交通費を支払うという会社もあるようです。
このケースは、実際に二次面接に到達し、内定にたどり着くまでわからないです。求人情報にも何も書いていないので、外部から知ることはできないのです。
催促はしないほうが良い
面接に呼ばれた日などに、「交通費は支給してもらえるのでしょうか?」と、面接官に確認する人がいますが、これは絶対にやめておきましょう。
実例ですが、ある遠方からの応募者が二次面接まで呼ばれ最終面接段階のときに、「恐れ入りますが、私は遠方からの応募です。今回の面接における交通費は、お支払いいただけるのでしょうか?その場合は、どのように支給されるのでしょうか」と質問してしまいました。
それまでは、面接では非常に順調に好印象を与えていたのですが、その発言が原因で採用側の会社に悪印象を与えてしまったのです。
そのため、「社会人としてのマナーや考え方の甘さが気になる」と判断され、採用は見送られてしまいました。
このようなことも起こり得るため、採用面接などで直接交通費について尋ねるのは控えておいた方が良いでしょう。
一般的には支払われることはないため、面接日の交通費は転職活動の経費として認識しておきましょう。
交通費支給面接にこだわる場合
上に述べたように、求人情報に「面接における交通費を支給します」と書かれていない求人では、支給されません。
また、はっきりしないからといって、うかつに面接などで確認をすれば、催促しているように受け取られて大変悪印象を与えてしまいます。
しかし、どうしても遠方の会社に就職する必要があり、面接日の交通費支給が絶対条件である人もいるかもしれません。
本来は、どの会社に応募するかは、あなたの希望する職種ややりがい、給与面など総合的に考えて行うべきではあります。
しかし、遠方への応募で、金銭面の負担が強いといった事情がある人は、面接時の交通費を支給してくれる会社を条件として、探していくしかありません。
多くはありませんが、前述のように応募者を集めたい会社や、二次面接に残った人には払っている会社、方針としてすべての応募者に交通費を支給している会社もあります。
ただし、あなたが希望している職種であり、かつ希望する地域であり、なおかつ面接での交通費も支給するといった条件の会社は非常に少ないでしょう。
そのため、一人で探すのは難しいと思います。
少なくとも転職サイト(エージェント)に依頼し、条件に合った求人を一括して探してもらうなど、専門家の協力を得ながら、効率よく探していく必要があるでしょう。
確認したい場合の例文
なお、求人票に「面接時の交通費は負担いたします」と表示されていない場合であっても、実は慣例として支払っているという会社もあります。
そのため、あなたがまだ応募を検討している最中であり、面接時の交通費が出るのであれば応募しようかと思っているのなら、一度問い合わせしてみるのもいいかもしれません。
応募した後の面接の段階などで「交通費は出ますか?」などと聞くよりは、応募の前段階で確認したほうがいいです。
その場合は、応募したい会社に対して、転職サイト(エージェント)経由で確認するか、メールなどで確認するかのどちらかになります。
エージェントに依頼せず、一人で活動している人は、応募の前に採用側の会社にメールにて質問をしてみましょう。
もちろん、そのような問い合わせに対して、否定的に感じる採用担当者もいるかもしれません。
しかし、求人を出している会社は、応募者からの「面接についての質問メール」は頻繁に受けています。
そのため、事務的な確認であれば、丁寧に問い合わせればそれほど悪印象を与えませんし、きちんと応答してもらえます。
例えば以下のような形です。
面接時の交通費について質問メール(例文)
件名 【貴社求人・企画営業職への応募についてのご質問】
〇〇株式会社 人事部採用ご担当者様
突然のご連絡を失礼いたします。〇〇(氏名)と申します。
この度、「転職情報誌〇〇ジョブ」にて
貴社の企画営業職募集を拝見いたしました。
是非ご応募させていただきたいと考えておりますが
一つ、事務的なご質問をお許しください。
私は現在〇〇県にて在職中です。
遠方ではありますが、御社の求人を拝見してぜひとも応募をと思っています。
つきましては、もし〇〇県に近い場所での面接日を設定されているのであれば
お教えいただきたいと思います。
あるいは、遠方からの応募者には交通費の補助が出る等の制度があれば
ご指示をお願いできますでしょうか。
まことに厚かましいご質問で恐縮ですが、なにとぞご検討いただき
ご返信を頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
このように、遠方からぜひ応募したこと、他に面接場所は設定されているかを確認しつつ、交通費について触れて返信を依頼しましょう。
強烈なアピールポイントを持つ人は自己PRも入れる
また、採用を検討している会社は、自社が欲しいと思っている人材像にぴったりの、有能な応募者がいれば、交通費を払ってでも面接に来てもらいたいと思うものです。
応募を検討している職種に対して、「この応募者に面接に来てもらいたい」と強烈にアピールできるネタがあるのなら、この問い合わせメールにひとこと添えておくと良いでしょう。
本来交通費を払うことは想定していなくても、相手企業の裁量で「あなたには交通費を負担するから面接に来てください」というオファーがあるかもしれません。
ただし、確率は高くありませんし、アピールできる要素は月並みなものでは足りません。
その業界にいる人であれば、あっと驚くような実績を積み上げているなど、採用担当者の目を引くものでなければ、あまり効果はありません。
例えば以下のようになります。
この度、「転職情報誌〇〇ジョブ」にて
貴社の企画営業職募集を拝見いたしました。
是非ご応募させていただきたいと考えておりますが
一つ、事務的なご質問をお許しください。
私は現在〇〇県にて在職中ですが
この度地元へ帰省し、新たな職へと転職を検討しております。
その折、御社の求人を拝見し、ぜひとも応募したいと考えております。
つきましては、もし〇〇県に近い場所での面接日を設定されているのであれば
お教えいただけますでしょうか。
あるいは、遠方からの応募者には交通費の補助が出る等の制度があれば
ご指示をお願いいたします。
まことに厚かましいご質問で恐縮ですが、なにとぞご検討いただき
ご返信を頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
◆自己紹介◆
<氏名>山田 一郎(やまだいちろう)
<年齢>満28歳
<住所>〇〇県〇〇市〇〇区1-1-10
<最終学歴>〇〇県立大学 法学部卒業
<職歴要約>2008年4月 医療精密機器メーカーに新卒入社、在職中
入社後勤続6年目、〇〇系専門機器〇〇の営業、技術サービス業務を担当。
販売実績は月間18台を4年間連続売り上げております。
これは、個人販売実績としては中部地方でナンバーワンであると自負しております。
<連絡先>携帯電話 090-1111-0000
メールアドレス yamada0898sample@mail.com
実力に自信がある人は、このように実績を書いておいて担当者の目を引くようにし、「交通費を払ってでも面接に来てもらいたい」と思ってもらう手もあります。
要するに提案型の応募ということです。
いい人であればぜひ採用したいと思っている会社にとって、数万円程度の交通費は投資であり、払ってくれるケースもあります。
アピールできる実力がある人は、思い切ってチャレンジしてみるのもいいでしょう。
支給してくれる場合
もし、面接会場までの交通費を支払ってくれる会社であった場合は、どの程度まで請求して良いものでしょうか。
一律いくらという形で決められている場合もありますし、上限まで払う場合や全額支給というところもあります。
そのように、会社によって支給額はさまざまであり、会社から指示されることが多いため、それに従うようにしましょう。
たとえ全額支給であっても、面接会場までは常識の範囲内の交通費を請求するようにしましょう。
新幹線を使うにせよ、指定席代は請求しないとか、タクシーは使わない(使っても請求しない)ようにしてください。
見てきたように、面接会場までの交通費は自己負担が原則です。
しかし会社によって対応はいろいろですから、どうしても交通費が負担に感じる人は、問い合わせてみましょう。
ただし、くれぐれも失礼のないようにすること、マナーを守ることを心がけてください。
面接会場で突然切り出すなど、マズい対応をして転職活動を失敗させてしまわないように注意してほしいと思います。