転職サイト(エージェント)の活用法

転職エージェントの活用

転職しようとしたときは、自分ですべてを行うより、転職サイト(エージェント)を活用したほうが、ずっと楽に、かつあなたに一番適した会社に有利な条件で転職することができます。

(管理人はそのことに気づかぬまま2年もの歳月と労力をかけてしまい、後悔しています)

現在転職を考えている方はエージェントを使うべきであると断言できます。転職サイト(エージェント)のしくみと活用の仕方を理解して、効率よく活動をしてください。

転職エージェントとは?

転職サイト(転職エージェント)とは、登録をすることで、あなたに一人のキャリアコンサルタントがついて、転職活動においてさまざまな支援してくれるサービスです。

このとき、年収を含めて、相手の会社とのさまざまな交渉を代行してくれます。

要するに、転職について詳しいキャリア専門家が、あなたの代わりに、面倒なことのほとんどを行ってくれるサービスだと考えてください。

登録は完全に無料で、あなたの側には負担はなく、基本的に相手が連絡をしてくれるのを待っていれば、活動が進んでいくという仕組みになっています。

※厳密には、転職サイトと転職エージェントは異なるサービスですが、ここでは同じ意味で説明していきます。

登録して活用する際のメリット

転職サイト(エージェント)に依頼して、あなたが完全無料にて得られるメリットは、以下のようなことです。

● 自分では意識していなかった市場価値、強みを発見してくれる
● 非公開の求人も含め、あなたに最適の会社を発掘し紹介してくれる
● 応募予定の会社について内部情報を教えてくれる
● 面接日から入社時期まで調整してもらえるので楽
● あなたの強みを会社側に上手く推薦してくれるため成功率(内定率)が高まる
● 年収、待遇、労働条件など言いにくいことを交渉してくれるので有利

このように、活用のメリットは多くあります。

その中で、最大のメリットは「難しい年収交渉を引き受けてもらえる」ということです。

「年収いくらで採用か」を、対等な立場で交渉できる唯一の手段

自ら応募した場合、選考が進むと、最終面接で経営者や人事部長が出てきて、年収いくらで働くか、といった年収交渉をすることになります。

ここで注意しないといけないのは、あなたは応募者であり、相手は雇う側であるため、すでに力関係に大きな差があるということです。

かなりの策略家であれば別ですが、普通の応募者が、企業の経営者や人事責任者を相手に対等な立場で交渉できるものではありません

経営者や人事部の責任者は、いかに安い賃金で良い人材を雇うことができるか?といったことを常に考えています。

これらの人たちとって人件費というのは大きな負担になるため当然のことです。

百戦錬磨の彼らは、いよいよ面接の終盤になると

「君はわが社が求めていた人材だ、やっと巡り合えた!君にはぜひ来てほしい」とあなたを持ち上げ、巧みに自尊心をくすぐり入社意欲を高めます。

しかしその後

うちは、〇〇円しか払えないけど、いいよね?内定出すから、来月から来てくれるよね?

などと、強引に自社のペースに乗せて、あなたを低賃金で採用しようとするかもしれません。

管理人は現在、人事部にて採用実務を行っておりますが、まさにこの手法で応募者と年収交渉を行っています。

罪悪感はありますが、仕方がありません……。できるだけ人件費を抑えつつ、能力の高い人材を引き入れるのが、採用実務担当者の責務だからです。

企業対求職者の労働価格交渉は完全なる自由交渉であり、強い方が勝ち弱い方は負けるのです。

そのため、弱い立場にいるあなたは、自力で年収交渉などしてはいけません。採用実務を担当する人事パーソンは、年収を値切るプロです。

高い確率で相手のペースに飲み込まれてしまい、後から「しまった!こんな低い年収で採用されてしまった」ということになりかねません

一方、転職サイトのコンサルタントを間に入れれば、確実に対等か、むしろ有利な立場で年収交渉できるようになります。

年収交渉を依頼できるのは、転職サイト(エージェント)のみであり、ハローワークや情報誌経由ではそのようなことをしてはくれません。

転職者が一番気にしている「年収いくらで採用か」を、対等な立場で交渉できる、唯一の手段が転職エージェントの活用であることを理解しておいてください。

転職サイトはあなたが高額で採用されれば利益が増える

転職サイト(エージェント)は、あなたから費用を取ることはありません。完全に無料で利用できるのですが、その理由をご存じですか。

転職サイト側は、あなたが転職に成功したら、あなたの決定年収の3割くらいを、紹介した会社から手数料としてもらう仕組みになっています。

そのため、あなたが高額で採用されればされるほど、転職サイト(エージェント)は利益が増えます。

だからこそ、彼らはあなたの年収交渉には当然気合を入れて対応してくれます

(逆にいうと、転職サイト(エージェント)側が、あなたの年収を釣り上げすぎて、入社後に「働きが年収に見合わない」とみなされる危険性があるので、この部分は少し注意が必要です)

転職サイト活用の落とし穴

転職サイト(エージェント)利用にはメリットが多いものですが、活用に際には注意しておかなければならない点がいくつかあります。

担当者の力量に差がある

どれだけ評判の良い転職サイト(エージェント)であったとしても、そこに所属する担当者の力量には、大きな差があります

優れた求人案件や転職ノウハウを持っているところでも、担当者が未熟であると、全くそれを活かすことなく、残念な結果になってしまうことがあるのです。

実際、管理人もある会社の未熟な担当者にイライラさせられたことがあります。その人は、新卒で入社して、私を担当するのが3人目という経験不足の人でした。

一方、別の転職サイト(エージェント)の担当者は本当に力量がある人でした。人柄も良く、大満足の転職ができたのはその人のおかげであると今でも感謝しているくらいです。

というわけで、運よく力量と経験の豊富な担当者に巡り合えば素晴らしい転職ができますが、ダメな担当者にあたる確率も一定数ある、ということを覚悟しておく必要があります。

強引に内定へ導こうとする担当者がいる

前述のとおり、転職サイト側は、あなたが求人先に入社することが決まって初めて、報酬を得られます。

そのため、会社から内定が出たら、若干強引にその会社へ転職するように急かされる可能性があります。

たとえ、あなたがまだその会社で本当に良いのかを決めかねていたとしても、強引な営業マンごとく、言葉たくみにあなたを誘導し、早く内定先に決めさせるようにしてくることがあります。

自分に合わない会社ばかり紹介されることがある

転職サイト(エージェント)には、その会社ごとに、得意とする求人案件のジャンルやターゲットとする応募者の種類に違いがあります。

そこに大きくミスマッチがあると、あなたに合わない仕事ばかりしか紹介してくれないこともあります。

転職サイトを最有効に使う方法

注意点を踏まえた上で、以下のことに注意すると転職サイト(エージェント)の活用による転職で失敗して後悔することがなくなります。

複数サイト(3社以上)に登録する

登録が面倒だからと、1社のみで活動をすると、上記のようなリスクを背負うことになります。

もし、力量の無い担当者に当たってしまったら、それがそのまま「転職失敗」につながります。

極端な話ではなく、本当のことです。転職エージェント会社の良しあしではなく、担当者の良しあしであなたの今後の人生が決まります。これは大変なリスクであると思います。

1つだけの登録であると、担当者の力量がどの程度であるのか、判断基準がないため、わかりません。

そこで、3つ以上の転職エージェントを活用してください。

そして、その中からあなたとの相性の良い担当者を選びましょう。

また、あなたに適した求人も、母数が多ければ当然マッチする確率は増えます。

登録するエージェントが少ないと、その会社が得意とする求人しか紹介されないため、あなたが希望する仕事をスムーズに見つけることができません。

そのため、最低3社、できれば5社くらいの転職サイト(エージェント)に登録して、担当者の様子を確認したり求人内容を把握するようにしてください。

「こりゃだめだ」と思った会社とは連絡を薄くすれば良いだけで、成約しないからといって違約金を取られるということはありませんから、安心してください。

合わない担当者は遠慮なく変えてもらう

登録をすると、通常電話やメールで相手の担当者から連絡が入ります。

その後、面談などをすることになりますが、その時から担当者の力量や人柄などをしっかり見極めるようにしてください。

自分と相性が合わないとか、力不足に感じた担当者は、変えてもらうことができます。

相手もビジネスなので、別に悪く思いませんから、「この人は違うな」と感じたら、会社側にお願いして変えてもらいましょう。

以下のような担当者は、おそらく良い担当者です。

 親身になってあなたのキャリアについて聞いてくれる

 あなたの希望に沿った求人案件を紹介してくれる

 あなたの希望する仕事や業界について理解している

 人柄が良く、求人側の会社とスムーズにやり取りできそうな社会人力がある

逆に、以下のような担当者は少し心配です。

× あなたのことを聞かず、手当たり次第案件を紹介してくる

× 対応が遅い、連絡が不定期、聞いたことの返事がズレている

× 事情にかかわらず、「転職すればすべてうまく行く」というように転職を強要する

信頼できる担当者を絞り、最終的には担当者を基準に、メインに活用する転職サイトを1社か2社にし、付き合いを深めていくことをお勧めします。

応募先への「推薦文」だけは任せきりにしない

転職サイトの担当者は、応募先企業に対し、あなたの推薦文を書きます。紹介する人材であるあなたが、会社にとって魅力的でスキルも高く、メリットをもたらず人材であるということをアピールしながら、面接日などの仲介をしてくれるのです。

力量のある担当者(コンサルタント)は、推薦文がすごくうまいです。

あなたの能力やスキル、人柄など多角的な側面から、「ぜひ会ってみたい」と思わせるような推薦文を書きます。

一方、ダメな担当者は、本当に情けない推薦文しか書けません。

管理人は、今実際に中小企業の採用実務に携わっており、中途採用のときは転職エージェント経由で人を募集することがあります。

そのとき送られてくる推薦文には、単なる経歴を書いただけのものや、「盛りすぎ」ていて明らかにウソだとわかるような、ダメダメのものがあります。

そんな推薦文だと、会う前から応募者のことを誤解してしまったり、「会うまでもない人材だな」と軽視したりすることがあるのです。

逆に、上手い推薦文と共に紹介されると、もう、面接する前から応募者に好意を持っていて、心の中で採用をほぼ決めているときもあるくらいです。

意外と、応募側の採用担当者は、この推薦文によって心理操作されているな、と実感しています。

そのため、推薦文だけは担当者に任せきりにしてはいけません。

「私のことを、どのように推薦文に表現してくれていますか?一度見せてください」と遠慮なく見せてもらってください。

できれば、応募会社ごとに確認したほうがいいです。

強引に内定を急かす場合は固く断る

もし紹介された求人先会社から内定が出されると、転職エージェント側は、あなたに入社することを迫ってくると思います。

しかし、あなたがその会社に入るかまだ迷っているなら、きちんと「待ってください」と伝えましょう。

内定が出ても、必ず転職しなければいけないというわけではありません。

当たり前ですが、転職はあなた自身がどうしたいかを一番に考えて良いのです。

たまに「いますぐ入社しなければいけない」と入社を迫る担当者がいるものですが、圧力に屈しないようにしてください。

転職サイト(エージェント)活用時の不安

転職エージェントの利点はわかっても、色んな不安があって、本当に登録して良いものかどうか悩むかもしれません。しかし、おそらくあなたの側にはほぼデメリットはないので、不安は杞憂だと思います。以下はよく聞かれる登録者側の不安とその回答です。

Q 登録無料でも、退会や成約時にお金を払わされることはある?

A 完全無料で利用できます

登録は無料であっても、退会するときに違約金を払わなければいけないとか、成約時に手数料が要るのでは?と不安になるかもしれませんが、本当に完全無料で利用できます。

転職が完了しようが、途中で気が変わって転職しないことになって連絡をしなくなろうが、違約金とか登録手数料などといったお金を請求されることはありません。

転職サイト(エージェント)の利益の仕組みは、前述したとおり、転職が完了した後に求人側の企業が払います。

また、職業安定法という法律によって、職業を紹介する事業を行う会社は、求職者側からはお金を取ることはできないことになっています。

法律違反を犯してまで、求職者側から微々たる手数料などを取ることはありませんし、業界内でもそのような違法行為をする転職エージェント業者がいるという情報はありませんから安心してください。

Q 職場への電話とかしつこいメール連絡はこない?

A 登録しても、しつこい連絡はありません

登録すると、メールがジャンジャン来たり、在職している会社に電話がかかってきたりするのでは?という心配をする人もいることでしょう。

誠実な転職サイトは、強引な求人紹介や、大量のメール、在職中の会社へ電話してくることなどはありませんから、大丈夫です。

もちろん、中には質の悪い会社が存在するのも事実です。

そうした転職サイトへ間違って登録しないために、当サイトでは誠実で優良な転職サイトだけを厳選して紹介しています。

さらに、もし別のエージェントに乗り換えたい場合や、転職そのものをやめたい場合は、「事情があって転職活動をやめるので、連絡はしないでください」とメールを一本送ると、もう連絡は来なくなります。

このときも決して嫌な顔はされません。

Q 過去のうつ病履歴なども言わないといけない?

A 過去の病歴などは言わなくてOK

エージェントには、今までの職務経歴や現在の体調などは正直に伝える必要はあります。

しかし、過去に〇〇の病気をしたことがあるなど、過去の病歴や業務に全く関係のない持病のことまで、すべて告白する義務はありません。

もちろん、現在うつ病に限らず療養・治療の真っただ中で、そのことを隠して転職するわけにはいかないほど症状が重いのであれば、相談する必要があるでしょう。

その前に、そんな状態なら転職活動そのものを控えた方がいいです。

過去の病気であり、現在仕事をするのに支障がないほどに回復しているなら、言いたくないことは言わなくて大丈夫です。

転職するか迷っている人こそ登録しよう

今後のキャリアの選択肢の一つとして「転職」を考えていても、実際に転職するか、まだ決めかねている人は多いと思います。

そのような状態の人こそ、ぜひ登録してキャリアのプロに相談すべきです。

まだはっきり心を決めていないのに、登録して担当者から電話があると、どこまで相談して良いのかわからないし、「ハッキリしろ」と言われたらどうしよう?と不安になりますよね。

しかし、実際に電話で担当者と話してみると、本当に目から鱗のアドバイスをしてくれるし、決して転職を強制しないし、何よりも自分の仕事上のストレスや悩みをしっかり聞いてもらえるという、心強さに安心します。

担当者は、あなたの「今の状態」「これまでの経歴」「希望する年収」「勤務地」「仕事に対するこだわり」などについて、詳しく話を聞いてくれます。

そもそも「転職するべきなのか」という段階で悩んでいる人は、ぜひ、ありのままを伝えてください。

「いまは転職したいのか自分でもわからない。転職するとしても、○○でなければ困るし、反対に今の会社の〇〇な条件はとても気に入っていて、手放すのももったいないと思う」など、多少ワガママかな?と思うことであっても、遠慮なくあなたの本音を話してください。

担当者は、気持ちに寄り添いながらたくさんのアドバイスをくれます。

私(管理人)の転職の際もそうでした。

このように担当者への相談は、「転職する意思が固まっている」人だけでなく「転職に興味はあるけど今すぐしたいのか、自分でもわからない」という人にこそ、非常に有益です。

自分のキャリアに悩んでいる人は、登録して相談してみましょう。きっと、「転職する」という解決法以外にも、ヒントが見つかります。

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