転職前に確認したい社会保険未加入の会社を調べる方法

会社で社員として雇用されるメリットの一つに、社会保険に加入できることが挙げられます。

社会保険とは、厚生年金保険と、健康保険のことをいいます(他にも、公的保険として労働保険というものがあります。労働保険は労災保険と雇用保険を合わせたものです)。

しかし、ブラック企業などと呼ばれる会社の一部に社会保険(厚生年金保険・健康保険)に加入する義務があるにもかかわらず加入していない企業があります。

そのような会社に間違えて入社してしまうと、後から「うちは社会保険には加入しないから」などと言われて困ることがあります。

今回は、社会保険(厚生年金保険・健康保険)に加入していない会社を、事前に調べる方法について解説します。

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社会保険加入状態をネットで確認できる

実際に、厚生年金保険や健康保険に加入しなければならない会社なのに、加入していないところが未だにあります。

もしそのような会社に入ってしまうと、後から困ることになります。

そのため、転職を考えている人は、できるだけ応募しようと思っている会社の社会保険加入状態を調べておくことをお勧めします。

調べる方法は、「日本年金機構」の厚生年金保険・健康保険 適用事業所検索システムを使うことです。

>> 日本年金機構 厚生年金保険・健康保険 適用事業所検索システム

上記のサイトにて、その会社の所在地の都道府県を選択し、検索対象事業所は「現存事業所」を選びます。

そして事業所名称を記入し、検索実行ボタンを押しましょう。そうすると、事業所名と所在地、法人番号、管轄年金事務所などがヒットするはずです。

もしここで検索しても上がってこない場合は、社会保険に加入していないということになります。

社会保険の加入要件

通常、あなたがこれから応募して入社したいのは、「会社組織」であると思います。一般的な会社であれば、社会保険の加入義務があります。

社会保険の適用事業所の要件は、以下のように法令で決められています。

1)法人事業所(株式会社、有限会社など)

2)個人事業所のうち、常時5人以上の労働者を使用している事業所(例外あり)

例外の事業とは

*一次産業:農業、漁業、林業

*サービス業:飲食店、理容・美容店、旅館、ビル清掃業、浴場、写真、娯楽業など

*士業:弁護士、税理士など

*宗教業:寺、神社など

もし、あなたが応募を検討しているところが個人事業所であり、労働者が5人に満たない場合は、その事業所に社会保険の加入義務はありません。

そのため、上記の調査方法で上がってこないことがあり得ます。

例えば、労働者3人で運営している個人のデザイン事務所などであれば、強制加入義務のある事業所ではありません。

そのため、この事務所で「社会保険は加入しません」ということであっても違法ではないということです。

また、個人事業所であり労働者が5人以上いても、上記に示した「例外の事業」であれば、同じく社会保険の加入義務はありません。

例えば、10人の労働者を持つ個人運営の飲食店は社会保険の強制加入義務はない、ということです。

しかし、株式会社などの一般的な会社は、労働者数と業種業態にかかわらず、必ず社会保険に加入しなければなりません。これを「強制加入事業所」といいます。

株式会社〇〇とか、有限会社〇〇であれば、労働者数や業態業種にかかわらず強制加入義務のある会社ということです。

法人事業所なのに、上記の日本年金機構で検索してヒットしなければ、それは加入義務があるのに加入していないという事業所ということになります。

転職を検討していて、応募したい会社が法人であれば、加入状態を確認してみることをお勧めします。

社会保険料の負担を逃れようとする会社がある

社会保険の保険料は、会社と労働者が保険料を折半して払うことになっています。

保険料を自分ひとりで払う必要がある国民年金に比べると、会社負担の保険料がある分払う保険料が多くなります。

そのため、加入者が将来もらえる予定の老齢厚生年金の額が多くなります。会社に入って社会保険に加入するメリットはここにあります。

一方、その分だけ会社側の負担は大きくなります。

その目安ですが、あなたが給料から社会保険料として2万円天引きされているとしたら、その同額の保険料を会社も負担していることになります。

そのため、合計4万円を社会保険料として国に納付します。

厚生年金制度は、このような多大な負担を会社側にかけるものです。

労働者側にはありがたい制度ですが、会社としては「できるだけ保険料を払いたくない」、あるいは「安く抑えたい」というのが本音です。

そのため、社会保険をこっそり「入っていないこと」にして、保険料を免れようとする会社があるのです。

また、求人票に「社会保険完備」と書かれているにもかかわらず、入社した後に「うちは実は社保入ってないんだよね」「社長方針で、社会保険は未加入です」などを堂々と主張する会社もあります。

あるいは「社保に入りたいなら、保険料は全額あなたが払ってもらう必要があります」といって、会社負担の保険料を払わない会社もあります。

これらはすべて違法ですが、入社した後に社員が是正させるのは難しいのです。

社会保険の強制加入事業所であるにもかかわらず、加入せず保険料も収めていない会社に対して、罰則や追徴金などで規制されるようになってきました。

しかし、社員側が社会保険事務所などに訴えたとしても、数回電話にて加入の督促がある程度で、強制捜査・強制納入という手段が取れるまでには至っていません。

また、「大きい会社だから大丈夫」とか、「皆が知っている名の知れた会社だから大丈夫」とも言えません。

大きくて有名な会社でも、経営者の意識が低く、社会保険の不正をしている会社もあります。

そのため、これから転職にて新たな会社への入社を検討している人は、事前に社会保険の加入状態を調べてから応募しましょう。後からわかっても遅いからです。

よくある会社の言い分に注意

また、面接を受ける際にも注意してください。さらに内定後や入社後に、社会保険について以下のようなことを巧みに言われたとしても、信じてしまってはいけません。

「当社は、本社の社員は社会保険に加入しますが、〇〇支店の社員は社会保険の適用除外です。社会保険は、本社の人にしか適用されない制度なのです」


→ 法人事業所であれば、本社や支店にかかわらず強制加入事業所です。

「求人票に書いてある社会保険完備というのは、労働保険(雇用保険と労災保険)のことです」


→ 社会保険完備とは狭い意味での社会保険(厚生年金保険と健康保険)および、労働保険(雇用保険と労災保険)の双方を完備しているというのが一般的です。

ただし求人票の表記にかかわらず、その事業所が法人であれば強制加入事業所です。

「フルタイムの勤務であっても、契約社員の方には社会保険は適用されません。あなたは契約社員での採用なので、社会保険は加入できません」


→ 社会保険に加入する人を「被保険者」といいます。

被保険者とは、適用事業所に常時使用される70歳未満の人で、1週間の労働時間および1か月の労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3以上である人となります。

雇用形態が「パート」「契約社員」であっても、呼び名に関係なくフルタイム勤務であれば社会保険の被保険者です。

「あなたの国籍は韓国となっています。社会保険の被保険者は日本人に限られます」


→ 社会保険の被保険者に国籍の要件はありません。日本人以外の人でも被保険者になれます。

「当社就業規則の取り決めにより、社会保険の保険料は全額支払っていただくことになっています」


→ 社会保険の保険料は、会社と本人が折半することと法令に定めされています。

法令に違反する就業規則の条文は無効となります。

たとえ会社の労働者全員が同意しているような規則に定めてあるといわれても、法令に違反する部分に効力はありません

「当社は労働者が5人の少数事業所なので、社会保険の適用除外事業所です」


→ 法人(株式会社など)であれば、労働者数は関係ありません

「社会保険に入るか入らないかは、あなた次第です。もし加入したいなら、かなりの額を給料から天引きされてしまいますよ? うちの社員のほとんどは、社保に入っていませんから、あなたもそうしたらどうでしょうか」


→ 社会保険の被保険者の要件は法令で決まっています。希望者だけ加入させるということは本来できません

このように、何とか社会保険料の負担を減らそうとしている会社は、労働者側の無知を利用して、加入を免れようとしてきます。

社会保険に加入する義務があるのに未加入の状態にいる会社は、80万社ほどあるといわれています。本来であれば社会保険に加入できるのに、その機会を失っている人も約250万人以上いることになります。

そのため、あなたがその当事者にならないためにも、応募前に加入状態を調べましょう。

さらに内定後にはきちんと社会保険の具体的な加入手続きがされるかどうかも、把握できるようにしてください。

入社して働き始めてからだと、こういった違法行為を是正させることは難しいです。

そのため、入社する前から志望する企業を慎重に見極めることが大事です。


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