ブラック企業の洗脳の手口を知り、自尊心を取り戻すには

ブラック企業のような会社は、労働者をできるだけ「自社に都合よく使いやすい人材」に洗脳し、労働力として使える期間は徹底的に酷使しようとしています。

正しい判断ができなくなっている社員の方が、安い給料で長時間、都合よく使えるため、教育や労務管理、指導といった名目で洗脳を仕掛けています。

会社側には洗脳しているという意識はないかもしれませんが、労働者を徹底的に使おうとしている会社には、ある共通した管理手法が見られます。

労働者側である私たちは、そのような会社がよく使っている手口を知るだけでも、抜け出すための知恵が働きます。

さらに身近な人がブラック企業のような会社に都合よく酷使されているのであれば、「洗脳」を解いて、正しい判断ができるように援助しなければなりません。

今回は、ブラック企業の社員洗脳の手口について解説します。

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洗脳の方法

労働者を自社に有利な人材に仕立てるために、会社は色々な手法で管理しようとします。その方法は、一種のカルト集団や詐欺犯罪者、ドメスティックバイオレンスの加害者が使うものと似ています。

人間の心理というのは「このように働きかければこうなる」といった法則があるため、心理操作を悪用すれば、人を操作することは可能になるのです。

奪う

私たちは、自分の行動を支援するお金や知識、モノがあればあるほど、自信を持つことができますし、常識的な判断をすることができます。

人生の自由な選択肢のために、持っているものが多いほど正しく道を選べます。

逆に持っているものが無いと、不安になり自信がなくなります。自信がなければ、誰かに依存しやすくなり、不安や心配から保守的な選択をしがちになります。

人を思うように扱いたいと思う場合、その人が持つものを奪えば、同時に自信と正しい判断力も奪うことができます。

そのため、ブラック企業は社員の色々なものを奪うところから洗脳を始めます。

自尊心を奪う

代表的なものが、徹底的に社員の自尊心を奪うような社員教育や管理指導をすることです。

・新人研修で、先輩社員や上司から大声で「お前は無能だ!」と怒鳴られた

・ミスをしたとき、そのミスの損害賠償額の計算書を書き、上司の稟議に回され一か月間事務所に貼られた

・朝礼のときに、お互いの欠点を指摘しあい、それについて反省を述べる儀式がある

上記のようなことで、社員の自尊心は徐々に奪われていきます。「自分には能力がない」「自分は組織で置いていかれるかもしれない」と思わせるためのものです。

体力・気力を奪う

集合研修などで、カリキュラムに意味の良くわからない体力業務が含まれていることがあります。土嚢を運んだり、穴を掘って埋めたり、山に登ったりするものです。

大声で社訓を唱えたり、長時間座禅をしたりといったこともあるようです。このように体力や気力を奪い疲労させることで、洗脳されやすい状態になります。

また、長時間労働や肉体労働、精神疲労の強い業務に就かせることで、疲労困憊させ、正常な判断力を奪っていくこともあります。

自由を奪う、他の選択肢を奪う

本人の自由な活動を制限することによって、洗脳しやすくします。求職者であれば、他の会社の内定を断らせることから始めます。

また、違法な労働契約書を使って、退職ができないように脅迫する手口もあります。例えば「入社3年以内に辞める社員は、研修費として200万払うこと」などの労働契約です。

このような労働契約などは違法であり拘束力はありませんが、社員の無知を利用して、「嫌なら辞めれば良い」という精神的自由を奪います。

また、外国人留学生や技能実習生制度で途上国の若者を受け入れ、低賃金で酷使する会社で使われていた手口でも同じように自由や選択肢を奪う方法が使われました。

外国人研修生のパスポートや携帯電話を取り上げてしまい、その就労場所以外に行けるところを制限したのです。

「嫌なら違うところに行こう、他に行けるところに行こう」という心の余裕がなくなっている人は、簡単に洗脳できるからです。

外部と隔離する

ある種のカルト集団でも行われている手段ですが、自分たちの組織以外の関係者と本人を隔離することがあります。

自分たちの集団(ブラック企業の場合は会社内)での連携を深め、外部の人間は「敵」「外側」というように境界線を引きます。

会社の中では「私たち」「わが社」など、自社内で強固な関係をつくり、外部と遮断するのです。そうすれば外部の人からの「正しい判断力」が届かないため、管理しやすいのです。

具体的には、新人は数年間、寮での生活を強いられたり、強制的に単身赴任をさせたりする会社があります。

遠方勤務でもないのに、「自律を促すため」「社員の生活環境を平等にするため」などの論理を持ち出して、一人暮らしを強制される場合もあります。

心理操作(夢希望→突き落とし→助け舟→褒め倒し)

また、社員を心理操作することで自社に都合よく動かす手口がよく使われます。DVの加害者や詐欺師、ある種の占い師やカルト教団の教祖とほぼ同じ手段です。

会社側がいつも厳しく、いつも自分に否定的であれば、誰もが「もうこんな会社は見切りをつけてやる」と思います。

しかし、いつも厳しいのではなく、たまに優しくしてくれたり熱狂的に褒めてくれたりすると、なかなかその場を去る決断ができません。

ドメスティックバイオレンスの被害者は、加害者のことを「優しいときもある」「お酒を飲んでいないときは私を大事にしてくれる」などといって、なかなか加害者と別れられません。

外から見ていると、どうしてあんなひどい目にあっているのに離れないのかと思うものですが、ブラック企業でも、これとほぼ同じような心理操作がされているのです。

典型的な心理操作の手法としては、「夢・希望・やりがい」などで社への帰属意識を植え付けてから、社員研修などで一旦厳しく突き落として本人の自尊心を完全に叩きのめします

本人が全く自信喪失してしまい、無力感と無価値観に浸っているころに、親切に助け船を出してきます。

「見込みがあるから厳しくしている」「すごく伸びたじゃないか」「君はもっとできるよ」などと優しく励ますのです。

そして、成果が上がった人には派手な賞を与え、褒め倒します。「〇〇賞」「月間MVP」などの賞がたくさん設けられており、定期的に授与式が開かれます。

該当者は拍手喝采を受けて壇上に上げられます。すると興奮と喝采のなか、色んな人から涙ながらの「感謝が大事」「やれば出来る」「成長」「社員の結束」などがテーマのスピーチを聞かされます。

そのときの歓喜と興奮は、非常に洗脳されやすい心理状態を生んでいるのです。

そして、また時間が経つと、厳しい指導で突き落とされ、同じようなことが繰り返されます。

いつも厳しいだけでは、誰もが「もう辞めてやる」となります。

しかし、厳しくした後に優しくするなど、自尊心を奪っておきながら、その後に称賛を与えることで、正常な判断力を奪いながら依存心を植え付けることができるのです。

考える余裕をなくさせる

忙しすぎて会社以外のことを考える余裕がなく、仕事以外のことをする時間もないと、以前にはあったはずの常識的な判断力が低下します。

気分転換をしないまま一つのことに集中していると、考えが煮詰まって視野が狭くなるのです。

会社に対して「何かおかしい」「本当にこれでいいのか?」という漠然とした疑問があったとしても、日々の業務に忙殺されていると、腰を据えて問題と向き合うことができません。

それどころではない、後で考えよう、みんなも頑張っている……。

余裕がない状態であると、現状を変えなければならないときでも、必要なエネルギーがわいてきません。取りあえず今日を乗り切るしかない、といった狭い判断しかできなくなります。

洗脳を解くには

それでは、こういったブラック企業の洗脳を解くにはどうしたら良いでしょうか。

まずは、「自分は今、洗脳状態に陥っている」ということに気づいたのであれば、そのことを喜んでください。

多くの人は、自分が被洗脳状態(洗脳されている状態)のときに、それと気づくことはありません。

もし、自分がそのような状態にあることに気づくことができれば、後は比較的簡単です。洗脳を解く方法は、上に述べたことの逆のことをするだけだからです。

奪われていたものを取り戻し、外部との接点を増やし、心理操作に巻き込まれないように心の距離を取り、考えたり相談したりする時間を増やすのです。

奪われていたものを取り戻す

もし、会社から不当に奪われているものがあれば、取り戻す努力をしてください。

変な契約書にサインさせられているなどがあっても、脅しの根拠に使われているだけで、法的効力がないものがほとんどです。

労働者は、労働基準法という法令によって、ある程度のことは守られるようになっています。これを機に労働法関連の知識をつけるのも、自信を取り戻すきっかけになるでしょう。

さらに、物理的に奪われているものがあれば、取り戻す努力をしましょう。

財形貯蓄という名目で強制的に給料を天引きされて、「3年以内に辞めるなら没収」などと言われていませんか。

社員寮に強制的に入居させられ、住む場所を選ぶ自由を奪われていませんか。

携帯電話など不当に使用制限されていませんか。研修教育費や自社商品の事前購入費などといって妙なローンを組まされていませんか。

今挙げたものはすべてが不当な搾取の事例です。財形貯蓄は今すぐ全額返してもらえる権利があり、寮で暮らすのが嫌なら退去する権利があります。

研修や自社商品購入費でローンを組ませるのは違法行為であり、無効にできますし、払ったお金は返してもらえます。

自分でできなくても、会社外の専門家に援助を頼めば解決できます。あなた自身が「返してほしい」と勇気をもって交渉することで、会社側が態度を軟化させることもあります。

「もう奪われない」という意識と態度が何よりも重要です。

外部の人間関係を無理やりでも作る

もし、今の会社で上記のようなことをされているかもしれないと思うなら、会社以外の人間関係を、もう一度復活させてください。

親や兄弟、学生時代の友人など、今まで忙しくて話し合う時間が無かった人は、無理やりにでも連絡を取ってみましょう。

そして、今の労働条件や気持ちを話してみてください。

あなたのことを親身に思ってくれるこれらの人が、「あなたの会社は少しおかしいよ」「疲れているように見えるよ」と言うのであれば、その声に耳を傾けてください。

社外の人間関係がすでにほとんどなくなってしまっているという人でも、あきらめずに何とか「外部の人」と触れ合う機会を作って欲しいと思います。

例えば、直接労働トラブルを扱うユニオン(労働組合)や、労働関係の活動をしているNPO団体の集会に相談に行くというのも、外部の人と触れ合う機会になります。

勉強会なども定期的に開かれていますから、同じような環境に苦しんでいる人と出会い「ブラック談義」をするだけでも、心が明るくなり視野が広がります。

心理操作に巻き込まれない

また、ブラック企業が行っている社員管理体制に上記のような「心理操作」を使うものがあったとしたら、あなたは少し気持ちの上で距離を置いて、冷静に付き合うようにしてみましょう。

どっぷりとその中に入ってしまわずに、少し俯瞰(高いところから、広くながめるように考えること)してみましょう。遠いところから冷静に周りの人の様子を見るのです。

そうすると「以前の自分は、都合よく乗せられていたのだな」あるいは「あのような手法で、社員に劣等感や罪悪感を植え付けて、働かせているのか」などが、わかってくることがあります。

身近な人がブラック企業にはまっていたら

もし、あなたの身近な人が、ブラック企業にはまっていたらどうしたら良いでしょうか。

実は本人が洗脳状態に気づくのを援助するしかないため、説得して洗脳を解くというのは本当に難しいことです。

以前大事件となったカルト教団の入信者や、占い師に傾倒してしまっていた芸能人の話を聞いたことがあると思います。

たとえ家族であっても、本人がその会社に心酔しているときは、なかなか聞く耳を持ちません。

こういった場合は、本人が被洗脳状態に気づくまでの道のりは長く、厳しい闘いになることでしょう。

しかし、あなたの身近な人がブラック企業らしき会社に洗脳されている場合は、地道に接触を繰り返すことから始めてください。

外部との人間関係が戻ってくれば、外からの影響力によっていずれ洗脳が解ける可能性があります。そして本人が会社から奪われている色々なものを与えてあげてください

金銭的援助が必要な人なら、援助しましょう。住みかがない人であれば住む場所を与えてください。

認められたいのに認められず、居場所を求めてブラック企業に入社してしまった人もいます。こういった人には、愛情と関心を与えてください。自信がない人には自信が回復できるような機会を与えてください。

ブラック企業という会社は、自信がない人や、「自由にできる持ち物」がない人の心を操作して管理し、労働力を搾取しているのです。そのため、本人に「自信」や自分の人生を自由に選択できる「持ち物」を与えることが、洗脳を解く方法の一つです。

洗脳という手法を使うブラック企業に搾取されないためには、正しい知識が必要です。正しい知識を持ち、できるだけ視野を広げることで、解決の方法は見えてくるでしょう。


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