転職で不採用になった会社に再度応募して採用される方法

転職に成功する方法

転職において、どうしても入社したいところを見つけたのに、残念ながら不採用になってしまうことがあります。

通常はあきらめる人が多いのですが、再度応募したいと思う人もいます。

求人票に「当社をご応募いただいて〇年以内の方はご遠慮ください」と書かれていない限り、再応募してはいけないというわけではありません。

しかし、本当のところどうなのでしょうか。そして、採用される可能性はあるものでしょうか。

今回は、一度不採用になった会社を再度応募するときの考え方について解説します。

再応募の前に

一度不採用になっていて、再度同じ会社に応募しようと考えている人は、一度立ち止まって考えてみる必要があると思います。

というのも、再応募してきた人が採用される確率は非常に少ないからです。

正式な統計はありませんが、感覚として5%にも満たないのではないかと思います。一度落ちた会社には、よほどのことが無い限り、受からないのです。

あなた自身も、うすうすわかっているのではないでしょうか。

それなのに、どうして応募したいのでしょうか。その気持ちとじっくり向き合わないといけません。

また、なぜ落ちたのかといった原因を振り返ることも必要です。

心理的なこだわりではないか

落ちた会社にまた応募したいと聞くと、誰もが「どうして?」と思います。

そういった場合ほど、本人は「どうしても応募する、次こそは合格する」と意気込んでいることがあります。

これは、恋愛や資格試験の受験とも共通点があります。

すなわち「振られたから、見返してやりたい」「不合格だったから、次は合格したい」という心理です。

恋愛や資格試験であれば、こういったガッツは次への原動力です。しかし、転職では避けるべき危ない心理です。

そもそも、「採用されるか否か」というのは、恋愛や資格試験とは違います。

採用されなかったというのは、相手の企業が求めていた条件(能力、年齢、性別、給与など)と、違っていただけです。

あなたの絶対的な能力を否定されたわけではありません。単に条件が合わなかっただけの話であり、人としてのあなたを否定されたわけではありません

しかし、中には採用試験で落ちてしまうと、なぜかそのように感じてしまう人がいます。

振られた異性にこそ情熱を持ってアプローチする人がいますが、それと似ています。

そのため、自分がそのパターンに陥っているかもしれない、と思った場合は、一度「本当にその会社に入社したいのか?」と自問してください。

その会社そのものへの入社を希望しているのでしょうか?

断られたから、リベンジしたいと思っているわけではないですか?

是非、一度自分の心に向き合ってください。

そのような動機で再応募する人が結構いるので、採用側の担当者は若干うんざりしており、そのタイプの人だと分かれば問答無用に不採用にされてしまいます。

そうなると、不採用になってはまた応募し、また断られたのに再度応募する繰り返しになってしまいます。

さらに、あなた自身も、再応募の動機が「採用されること」になっているとすると、運よく入社できた時にモチベーションが尽きることになってしまいます。

入社してから「こんなにつまらない会社だったのか」と思うことにもなりかねません。

「熱意」より「しつこい」と思われる可能性大

再応募を検討している人は、「再応募を繰り返すことで、熱意がわかってもらえる」と考えている人がいます。

しかし、この場合の熱意は、相手からすると「しつこい」と思われている可能性が高いといえます。

そもそも、入社前の人から、異常なほどの熱意を持たれるというのは、一企業であっても気持ちが悪いものです。

その熱意というのが正常なやる気とは違い、ある種の執着であることが感覚的に伝わるからでしょう。

そのため、「何度も応募して熱意を伝えれば、いつか絶対わかってもらえて採用される」という思い込みで最応募することはお勧めできません。

落ちた原因を理解しているか

また、中には、一度不採用になったのに、初回の応募と全く同じ履歴書を使って再応募してくる人がいます。

まさにその履歴書に不備があったために書類審査で落とした人であったのに、落ちた原因に気づかず、再度応募してきたという事例です。

さすがにそんなことがあるのかと思われるかもしれませんが、事実、再応募をしてくる人には、このように「落ちた原因をまったく振り返ろうとしていない」「数打てば当たる」といった感覚で挑んでいる人がいます。

もしあなたが応募した会社から不採用の連絡を受けているのであれば、その原因は何だったのかを自分で振り返らないといけません

「条件が合わなかった」ということの中には、何らかの不備もあったかもしれません。

そこを無視して、当たって砕けろといった姿勢であれば、何度当たっても本当に砕けるだけで、採用されることはありません。

本当にその会社しか実現しないか?

どうしてもその会社に入りたいのでしょうが、本当にその会社でしか実現しないことでしょうか。

ここをしっかり整理してください。なぜその会社に入りたいのでしょうか?

労働条件ががいい、あるいは自分が持っている資格を活かせる、憧れの企業だから、など、色々入社したい理由があると思います。

その理由(動機)を整理させれば、共通点のある他の会社を探すこともできるはずです。

例えば、勤務地がとても近いということであれば、勤務地が近い他の会社を探すこともできます。

「ここでしかできない」と思い込んでいて、探す努力をしていないと、「この会社に何度か応募すれば希望が叶う」と思ってしまいます。しかし、一度、探す範囲を広げてみましょう。

しかし、その会社しかできないのであれば仕方がないかもしれません。例えば

  • 経営者の人柄に惚れ込んでいて、その人の下でどうしても働きたい
  • そこでしか作っていない特殊なモノがあり、そのモノを扱う仕事に就きたい

このような稀な事情がない限り、視野を広げて他の会社にも目を向けてみましょう。

不採用の可能性が高いパターン

どうしても一度不採用になった会社に応募したい人であっても、以下の場合は、より一層不採用の確率は高いです。

採否決定権者が同じ

一度応募した会社が小規模事業所であったり、大規模であっても採用に関して決定権者が同じだと思われる場合は、再度応募して確実に落とされるでしょう。

人事部では、応募があった人をリスト化して意外と覚えているものです。

また、再応募してくる人が一定数いるものの、「再応募の人は即落とす」という方針を取っているところもあります。

それは、「再度選考する手間を省く」という理由もありますし、上に述べたように、何度も応募してくる人というのは、ある種の執着を感じるため、どうしても好意を抱けないからです。

人事部の担当者も人間です。

人間が採否を決定している以上、その人が「こういうタイプの人はわが社に入れたくない」という感情を持てば、落とされるのは当然です。

一方、同じ会社であっても採否決定権者が違うと思われる場合は、「即不採用」にはならないかもしれません。

例えば、前回応募したのは本社営業職であり、今回応募するのは〇〇支店の事務職、などの場合です。

この場合であれば、同じ会社への再応募であっても、実質〇〇支店の事務職への新規応募とほぼ同じです。

この場合支店長決済で採用が決まるというしくみをとっているのであれば、ほぼ新規応募と同じ扱いになるでしょう。

ただし、採否権限者が、例えば「本社人事一括」ということであれば、その場合はやはり「再応募してきた人」という扱いになりますから、落とされる可能性は高くなります。

落ちた原因の対策ができていない

一度不採用になっているということは、何かの原因があって落ちているわけです。その「落ちた原因」が改善されることなく、また応募しても、同じ理由で落とされることでしょう。

前にも述べましたが、不備のある履歴書が原因で落ちた人が、再度同じレベルの履歴書を送ってきても、落ちた原因が改善されていないわけですから選考に残ることはありません。

落ちた原因を確かめもせずに、「数打てば当たる」という応募の仕方では成功しません。

人気企業

人気企業とは、応募者が多い会社のことです。

地元の評判が良い優良企業とか、給料が高い会社、人気商品を扱っている会社、ブランド力のある会社などです。

これらの人気企業は退職者が少なく、求人数も少ないことが一般的です。その狭き門に多くの応募者が集まってくれば、会社側は「よりどりみどり」で選ぶことができます。

こういった企業であれば、再応募者は選考から外されることが多いようです。

もちろん、前回の落ちた原因が改善されていたり、募集条件が変わっていたりなど事情が大きく変化すれば別です。

しかし、買い手市場では、「再応募」というハンデがある応募者は、かなり不利になると思います。

条件だけの応募だと思われている

採用側の会社は、一般的には自社に好意を持ち、会社に貢献したいという熱意を持つ人を採用したいと思っています。

そのため、応募者の志望動機が「家が近いから」「給料が高いから」という人は、あまり魅力を感じません。

どれだけ応募者の側が「条件がいいから入社したい」という本音を隠そうとしても、相手の採用担当者にはばれてしまうことが多いのです。

もし、これらの動機で応募して一度不採用になっているのであれば、それは「条件だけの応募の人だ」ということがばれている、ということです。

そのため、そのような動機のまま再度応募して、いくら「熱意がある」と訴えても、採用されるのは難しいでしょう。

再応募でも採用される場合

それでは、再応募であっても、採用される可能性がある場合を考えてみましょう。

採用基準が明確

公務員試験が代表的なものですが、「採用試験などで一定の点数を取れた人は選考に残る」という明確な基準がある場合は、その基準を満たすことで採用される可能性が見えてくるでしょう。

私企業でこの基準を導入している会社は稀ですが、筆記試験やSPI、適性検査などの受検を経て面接に呼ばれるといったしくみの会社であれば、前回はそのどれかが低得点であった可能性があります。

前回受けたときに試験があったのであれば、再応募のときには試験対策をしっかりして合格点を取ることで、選考に残ることができるかもしれません。

努力により条件が満たされた

応募資格が「〇〇資格を持つ人で2年間の〇〇について実務経験を有する人」という条件で募集している会社があります。

あなたが以前応募して落ちたときに「〇〇資格は持っていたが、実務経験が1年しかなかった」という状態であり、今実務経験が2年経っているのであれば、基準を満たしたわけですから、採用される可能性はあるでしょう。

あるいは以前は足りなかったスキルが努力によって養われていて、それを履歴書や職務経歴書などで納得させられれば、選考に残ることができます。

応募者への門戸が広い(落ちた人も歓迎!)

一部のベンチャー企業の求人で見られますが、「大量募集しています!以前ご応募されてご縁がなかった方も、歓迎します」といった採用枠であれば、再応募してもいいでしょう。

相手の企業も望んでいることですし、面接でも問題なく再応募したことを話題にしてPRにつなげられます。採用されることも可能だと思います。

ただし、「なぜ再応募者をも募集するほど、門戸を開いているのか」という部分には注意しておかなければなりません。

もしかすると、大量採用大量離職の傾向がある会社であり、長期的な安定勤務には向かない労働環境かもしれません。

落ちた原因の改善がみられる

前回不採用出会った理由が、再応募の際にしっかり改善されていれば、選考に残るかもしれません。

履歴書に不備があり書類選考が通過しなかった人が、立派な履歴書と職務経歴書、自己PR書なども準備して郵送し、かつ転職エージェントを経由して応募への熱意を電話で伝えてもらえば、書類選考は通過することでしょう。

このように、「前回なぜ落ちたか」をしっかり振り返り、改善の努力ができる人は、会社にとっては悪い人材ではなく、「会ってみようかな」「これから伸びるかもしれないか」と感じます

採用されるためには

それでは、再応募の人は不利であることを理解したうえで、それでも再チャレンジしたいという人はどうしたら良いのでしょうか。

人事担当をしていると、本当に驚くほど低レベルの履歴書を送ってくる人を目にします。

そういう人に限って、同じ履歴書で再度応募してきて「今度こそ本気です」と熱意をアピールするのですが、自分はどう見られているのかといった他者の視点を取り入れないと、改善ポイントは見えないのです。

自分で自分の弱点を冷静につかんで改善できる人は、ほとんどいません。

前回の自分がなぜ落ちたのか、耳が痛いものですが、専門家の助言がなければ、到底採用されることは難しいでしょう。

仲裁者を入れると非常に有利

また、一度不採用になった会社に再応募する際は、転職サイト(エージェント)などの仲裁者を入れると有利に運びます。

転職エージェントであれば仲裁者として、あなたの熱意が「執着」とうつらないように上手に会社側に、アピールしてくれます。

あなたが直接「もう一度受けたいんです、本気なんです」と迫ったとしても、高い確率で断られるでしょう。

前回書類選考の段階で落ちているのであれば、そもそもあなたがどういう人で、会社への熱意や貢献度がどの程度なのかを知ってもらうことすらできていません。

しかし、転職エージェントなど仲裁のプロは、あなたがいかに会社に役立つ人材であるかを、巧みに紹介してくれます。

応募者本人からの連絡ではないため、耳を傾けてもらいやすいからです。

また、会社側の本音を聞き出して、以前のあなたに何が足りなかったのか、どのような改善点が見られれば採用の可能性が高まるのかも教えてくれます。

最低ラインの基準を絶対クリア

また、自分では気づかなかった弱点があるかもしれません。

履歴書や職務経歴書に思わぬ不備があるかもしれませんし、面接での態度、口調、ビジネスマナーなどに、落ち度があるかもしれません。

こういった最低ラインの基準は絶対クリアしておかなければ、何度受けても不採用です。

転職エージェントのコンサルタントは、履歴書や職務経歴書に不備が無いかをチェックしてくれます。

面接での態度や、自己アピールのポイントも助言してくれます。それを聞いて改善していくと、採用の可能性は高まるでしょう。

メリットを感じてもらうPRを組み立てる

不採用であったということは、前回のあなたは会社にとってメリットを感じない人材であったということです。

最低限の不備がない状態にもっていけば、スタートラインに立つことはでき、書類選考は通るかもしれません。

しかし、最終目標は選考に残ることではなく、正式採用されることです。

そのため、不備がない状態からステップアップし、会社側にメリットを感じさせる人材として、自分を演出しなければなりません。

しかし、これは本当に難しいのです。

応募したい会社の業種や職種によって、「応募者のどの部分にメリットに感じるのか」「どのようなPRをすれば、採用担当者の心に刺さるのか」は全く違うからです。

また、応募者の側は「自分をアピールする」ということに夢中になりやすく、相手が何を求めているのかまで目が行き届かないです。

この場合も、エージェントなどの仲裁のプロに依頼しないと、無駄な努力をすることになるかもしれません。

エージェントから、応募したい会社が求める人材像を想定してもらい、相手がメリットを感じる人材になれるように、演出を頼むことができます。

そうすることで、不採用になった会社に再応募したとしても、「前回とは全く違う人からの応募があった」として、採用される可能性が高くなるでしょう。

不採用になった会社に再度応募し、採用されるまでの道のりは長いでしょう。

通常の新規応募と違って、見直すべきポイントも多く、自分一人ではなかなか難しいです。

しかし、不可能ではありません。熱意があるのは事実ですし、上手くいかなかったのは伝え方が悪かっただけかもしれませんし、些細なミスが原因だったのかもしれません。

いずれにせよ不採用になったのは過去のことです。

確率は高くなくても、きちんとした専門家と共に計画的に応募して、健闘してほしいと思います。

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