職場でのセクハラを拒否し、性的アプローチを遮断する方法

職場の上司などに何らかの性的なアプローチをされても、断ったらその後どのような仕返しをされるかわからなくて、はっきりと断ることができないのではないでしょうか。

放置しておくと、相手の上司は、あなたの拒否がないからといって行為をエスカレートさせてくることがあります。このように、上司からの性的なアプローチを明確に拒否できずにいるとき、どのようにしたら良いでしょうか。

さらに、セクハラ行為を放置しておいて、あなた自身が仕事をしづらくなったり、うつ病などの心身不調になったりしたとき、後から「セクハラをされていた」と訴えることはできるものでしょうか。

被害者が明確に拒否ができなかったとしても、あなたの望まない行為であれば、それはセクハラであるといえます。

今回は、明確に拒否ができなくてもセクハラは成立するということ、さらに望まない性的アプローチを上手く拒否する方法について、解説します。

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拒否できなくてもセクハラは成立する

最近は、職場でのセクハラによって起きる心身不調を「労災事件」として認定されるケースが増えてきました。

2011年に厚生労働省は、セクハラによる被害を、より広く労働災害として認定できるように基準を出しました。

セクハラを受けたことを原因として、精神疾患(うつ病、PDSDなど)を発症した場合は、労働災害と認められ、会社側に一定の責任を負わせることができるようになってきました。

このとき、セクハラを受けていたと主張する人が、加害者に対して明確な拒否行為をしていなかった場合、後こから「あれはセクハラだった」といえるのかどうかという問題があります。

これに対して、国としてもセクハラの基準で以下のように示しています。

1)セクシュアルハラスメントを受けた者(以下「被害者」という)は、勤務を継続したいとか、セクシュアルハラスメントを行った者(以下「行為者」という)からのセクシュアルハラスメントの被害をできるだけ軽くしたいとの心理などから、やむを得ず行為者に迎合するするようなメール等を送ることや、行為者の誘いを受け入れることがあるが、これらの事実がセクシュアルハラスメントを受けたことを単純に否定する理由にはならない

2)被害者は、被害を受けてからすぐに相談行動をとらないことがあるが、この事実が心理的負担が弱いと単純に判断する理由にはならない。

被害を受けた人が一見合意があるような行為をとってしまっても、明確に拒否できなくても、セクハラとして認定されるということです。

「拒否しなかったのだから、セクハラじゃなくて恋愛のもつれでしょう?」「本当に嫌だったら、嫌だと言うとか、早めに誰かに相談するはず。そうしなかったのは、あなたにもその気があったのでは?」などといった反論は、会社も加害者もできないということです。

そのため、もしあなたがセクハラを原因に心身不調に陥ってしまい、労災の認定を求めたり、会社や加害者に損害賠償請求をしたりする際には、明確な拒否をしなかったとしても、その事情はきちんと斟酌してくれます

「誰かに相談などできない」という現実

セクハラ被害を受けていたことで、心身不調になるとか、退職を余儀なくされるといった大変なことになってしまった場合は、上記のように「拒否したか否か」「誰かに相談したか否か」に関係なくセクハラ被害の事実は認めてもらえます。

しかし、多くの人は上司を訴えたり労災認定してもらったりといったことまでは望んでいないのではないでしょうか。

心身不調に陥って労災申請するとか、会社や上司に損害賠償請求したいといったレベルにまで被害が悪化していないけれど、上司からのセクハラに悩んでいる人はたくさんいると思います。

断ったときの報復が怖いし、仕事を継続する上で気まずい思いをしたくないため、我慢しているのではないでしょうか。

「自分が被害を訴えることで、相手を窮地に立たせてはいけない」とか、「自分が被害を訴えても、誰にも信じてもらえないのではないだろうか」と思うものです。

後のことを考えて、どうしても断れないのは普通のことです。そのため、拒否できないとか誰にも相談できないことで、自分を責めることはありません

相手が社会的地位が高い人や、会社の中で重要な立場にいる人であればなおさら、拒否したり誰かに相談したりすることなど、簡単にはできないものです。

たしかに、相手の好意を拒否しなくても、後から「あれはセクハラでした」と主張して、労災認定してもらえる方向に「法整備」はされています。

しかし、それはあくまで法的な場面に限定されます。

私たちの職場などでは、残念ながら、まだセクハラ被害者が相談したとしても「断らなかったからあなたにも非がある」と思われてしまうケースの方が多いのが現実です。

上司のプライドを守りながら拒否する

現在、上司からの性的アプローチなどのセクハラに悩んでいるとしたら、やはり、できるだけ早めに拒否するほうが良いでしょう。

なかなか難しいことではありますが、何とか工夫して行為をやめてもらえるよう、頑張って伝えるようにしましょう。

その際のポイントは、「異性としての行為者(上司)を否定しない」ということです。

行為者(上司)は、「異性としての自分を受け入れ受け入れてもらえているはずだ」、という意識であなたに性的アプローチをしています。

セクハラをしてくる人は、その行為をセクハラであるなどとは一切思っていません。あなたが迷惑がっているとは、全く気付いていないのです。

いくら「こんなことをして迷惑かな?」「こんな行為はもしかしてセクハラかな?」などと、本人が口に出していたとしても、本心は「自分は異性として求められている」と本気で思っています。

その気持ちを否定するようなことを言って「異性」としての魅力を否定してしまうと、報復や嫌がらせ、仕事上の不利益として、仕返しをしてやろうという気持ちになる人が多いのです。

そのため、職場でそういったアプローチを受けていて迷惑な場合は、まず上司の「自分は、異性として魅力がある人間だ」という気持ちを傷つけないように、細心の注意をして、やんわりと距離を置くことをお勧めします。

例えば、以下のようなことを伝えて距離を置くようにしましょう。

親が不審がって、心配している

帰宅が遅いことや、社内の誰かとメールをしていることで、父母が不審がって心配しています。

私は未婚ですし、特に父親は本当に古い考え方ですので、誰か男性と付き合っているのなら紹介しなさいと、しつこく言ってくるのです……。

そのため、これからあまり食事にお付き合いできなくなるかもしれませんし、メールのご回答ができなくなるかもしれません。

社内のある人(実名は伏せる)が、私たちの関係を疑っている

先日、社内のある人から、私たちが飲み会のとき仲が良すぎて変な感じがしたと言われてしまいました。

何か勘繰られてもいけませんし、〇〇さん(行為者)とは、今後飲み会の機会では少し離れた席にいた方がいいかもしれませんね?

(相手が既婚者の場合)不法行為として奥様に訴えられることがあると知った

〇〇さん(行為者)は奥様もお子様もいらっしゃいます。

もし、私とこれまでのようにメールのやり取りが続くと、もしかして私が不倫相手ではないかと奥様を不安がらせてしまうかもしれません。

以前、ネットで既婚の男性とメールのやり取りをしていたところ、奥様に不倫(不法行為)をしていると思われて、損害賠償請求された人がいるという記事を見ました。

そのつもりがなくても、そういった行為をしているだけで不法行為になることがあるそうです。

そのため、残念ですがこれからはメールを頂いても、返信できないかもしれません。

仕事で〇〇に没頭しているため、時間がない

ご存じのように、先月から〇〇というプロジェクトに参加することになりました。

出張も多く不規則な生活になりますがとてもやりがいを感じています。

それで、今までお誘いいただいていたお食事ですが、あまり時間も取れそうにありませんし、〇〇について勉強も進めなければなりません。

しばらく落ち着くまで、お付き合いできないかもしれません……仕事については、またご相談させてください。

上記のように、「事情があって残念ながらこれまでのようなアプローチには応えられない」、といった形で拒否できるように工夫してください。

こういった事情を持ち出すと、セクハラ上司はある程度行為を自粛する人が多いようです。

上司側は驚くほど鈍感

被害を受けている側からすると、「私が嫌だと思っている本心は、相手はわかるはずだ」「私が本当は嫌がっていることがバレて報復されるのでは?」と思うものです。

しかし、上司(多くは男性)側は、驚くほど鈍感です。

だからこそ、被害者が嫌がっていたり怖がっていたりするというのに、全く気付かずにアプローチをしてくるのです。

中には犯罪に近いような強引なタイプもいますが、多くの行為者は、単に「自分は異性(男性)として受け入れられている」という意識でいます。

被害者が思っている以上に、男性の上司は鈍感です。あなたの本当の気持ちには、気付いていません。

そのため、あなたが拒否しないままでいると、行為はエスカレートする可能性が高くなります。

早めに「もう、アプローチには応えられない」とはっきり伝えたほうが、お互いのためになります

その際は、上記のように、上司のプライドを傷つけないように、「〇〇という事情がある」という形で断るようにしましょう。

男性側は鈍感ですから、あなたが本当は嫌がっているということには気付かないことが多いです。

それでもしつこく性的アプローチをしてくる場合

上司のプライドを傷つけないように、懸命に「やめて欲しい」という意思表示をしているのに、鈍感な人は気づかずにアプローチを繰り返してくる場合があります。

こういった人には2つのパターンがあると考えられ、それぞれに適した対策をしなければなりません。

一つ目のパターンは、本当に純粋な恋愛感情を持っていて、かつ「あなたに迷惑がられている」ということに気づいていない人です。

強気のプッシュをすればいつかはなびいてくると勘違いしているというケースです。

二つ目は、そもそもあなたを一人の人間として尊重しておらず、あなたの意思に関係なく自分の満足を得たいために、しつこくセクハラを繰り返すタイプです。

恋愛感情を押し付ける上司

あなたのことを部下としてではなく、本当に女性として好きであり、その気持ちがセクハラ行為になってしまっている上司には、どのように対応するべきでしょうか。

あなたがこの上司の誘いに乗るつもりがなく、かつ前述のようにプライドを傷つけないようにやんわりと拒否したのに気づいてくれないと、本当に困ってしまうと思います。

いきなり人事部などに訴えて処分してもらうのも気が引けますし、労働局や弁護士などに依頼して調停に持ち込むといった「強硬手段」などは一層しにくいでしょう。

相手が恋愛感情を持っているというのは、そういった強硬手段に出られないために、余計やっかいなのです。

しかし、心を鬼にして、何とかやめてもらえるように交渉しないと、相手は「プッシュすれば何とかなる」と思っているため、いつまでもアプローチが続きます。

ただ、相手が恋愛感情を持っているだけに、本人の「異性としてのプライド」や「叶うと思っていた恋愛感情」を傷つける方法で拒否すると、報復という形であなたの職場環境を侵害してくるかもしれません。

そのため、基本は上司の異性としてのプライドだけは守りながら、しかし「恋愛関係にだけにはなれない」というはっきりとした意思表示をする必要が出てきます。

「事情があって恋愛はできない」

このタイプの上司に対しては、基本的に「事情があってアプローチには応えられない」といった拒否を続けます。

しかし、その「事情」をもう少し決定的なものにします。例えば以下のような形です。

私もそろそろ、結婚を意識しています。

今の彼とも、結婚について積極的に話し合うようになってきました。

夫となる彼には隠し事をしたくないので、〇〇さんとのメールのやり取りは、今後できなくなります。

今は、プロジェクト(仕事)のことで精いっぱいです。

どうしても、男性のことを考えている時間がありません。せっかくお食事に誘っていただいていますが、今は本当に仕事以外のことは考えられません。

このように、上司の恋愛感情を真っ向から拒否せずに、「仕方がない事情があって、あなたと恋愛はできない」という事実を伝え続けましょう。

それでも、「そういう事情があっても私の方は構わない」「私が支えてあげる」などと言ってアプローチを続ける場合は、「他の人に相談する」として第三者を巻き込むようにしましょう。

一度、彼に、上司である〇〇さんからメールを頂いているということを相談しようと思っています。

今後、夫になる人ですから、社内にどういった人がいて、どのような関係性なのかを伝えておきたいと思います。

彼は嫉妬深い人ですので、今でも「誰とメールしてるの」とよく聞いてくるので、一度相談しなければ、とは思っていました。

〇〇さんからお食事に誘われているということを、プロジェクトリーダーにご相談しようと思います。

私は人づきあいが重なると仕事に身が入らないということをリーダーはご存知です。

私の異性関係についても心配もしてくださっていますので、今後どのように〇〇さんとお付き合いしていくべきか、リーダーにお聞きしようと思っています。

セクハラ行為をする人は、無意識に「口が堅く他人に相談しそうにない女性」をターゲットにしています。

行為者が既婚者であればなおさら、そういったアプローチを内密にしてくれそうな人を選んでいるのです。

そのため、あなたは、この段階まで来たら積極的に「誰かに相談する」と行為者に告げておきましょう

発覚を恐れて、たいていは控えめになります。

ただし、この際に「セクハラされたと会社に相談します」という形にしてしまうと、プライドを傷つけられたと感じて、後から報復されるかもしれません。

この段階では、誰かに相談すると告げるにも「アプローチされているという事実を誰かに相談します」という形にとどめておきましょう。

行為者の恋愛感情を否定するのが一番手っ取り早い方法です。

しかし、叶わなかった恋愛感情が報復感情へ変化することが多いため、このタイプの上司には「仕方がないが恋愛はできない」と貫いた方がいいでしょう。

個人的な欲求を押し付ける上司

あなたのことを一人の人間として尊重せず、恋愛感情もないというのに、個人的な欲求を満たすためにしつこく関係を迫るなどのセクハラを繰り返してくる上司には、どのように対応したらよいでしょうか。

このタイプの人は、恋愛感情がないだけにこちらも「罪悪感」を持たずに対応できるだけ気楽かもしれません。

行為者に気遣って、やんわりと拒否をしているのにもかかわらず、個人的な欲求のためにしつこくしてくる人には、この段階まで来たら積極的に会社側や行政などの専門家に通告するということをほのめかしましょう

〇〇さんに何度もメールを頂いていることを、プロジェクトリーダーにご相談させてもらっていいですか?少し仕事に支障が出ていますし、リーダーからも「何かあったの?」と聞かれています。

〇〇さんが、出張先でいきなりお部屋に来られたり、メールを何度も送ってくださったりすることを、一度会社の労務相談室にご相談したいと思います。

メールの内容を相談員の方に見てもらって、今後会社としてどう対応していただけるのかを確認するつもりです。

このように、会社側や専門家への相談を検討していると告げることで、行為の発覚を恐れて控えめになると思われます。

報復の可能性を防ぐには

この際に、行為者の方が「残念だね、これから君を〇〇に登用しようと思っていたのに」など、今後あなたに不利になる待遇をしそうな言動があった場合のことも考えておかなければなりません。

相手の人柄にもよりますので、判断が難しいところですが、もしも「報復の可能性がある」と感じられる人であれば、後から対抗できるように、証拠を残しておきましょう

送られてきたメールは、気持ち悪いからといってすぐに捨ててしまわないようにしましょう。日付と送り主がわかるようにして、保存しておいてください。

また、行為者の言動を録音したものがあると、後から報復されたり不利益取り扱いをされたときに対抗するための強い証拠になります。

今後、もし関係がこじれてしまって、会社側や行政、弁護士に調停を依頼する際には、証拠物件があると有利に進みます。

気が進まないものですが「もしも」のときのことを考えて、証拠はできるだけ保存しておきましょう。

それでもやめない場合は闘うか環境を変える

あなたが上に述べたような努力をしたにもかかわらず、それでもしつこくセクハラ行為を繰り返されてしまう場合は、もうあなた個人で対処しようとせずに、実際に会社組織に相談して指導してもらったり、行政や弁護士に依頼して調停へ進んだりする必要があるでしょう。

普通は、ここまで念入りに気を使いながらの「拒否」をしているのに、それでも行為を繰り返すという例は多くはありません。

しかし運悪くそのような人に遭ってしまったのであれば、断固として行為者と闘うか、あるいはあなたが働く環境を変えるかといった選択になります。

セクハラの責任を問い、謝罪させ、損害を賠償させるという「闘い」は時間も労力もかかります。

心身共に相当な被害を被り、加害者を懲らしめてやると思うほどになっていれ、闘っても問題ありません。

しかし、それほどにまでなっていない場合であれば、あなた自身が気持ちを切り替えて、転職するなど新しい環境に身をおくとか、行為者のことはできるかぎり無視して仕事に没頭できるようにした方が、人生の大事な時間を無駄にせず済みます。


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