うつ病での休職経験が転職先からの前職調査でばれることはあるか

うつ病や適応障害などで前職を休職していた経験がある人もいます。あるいは、休職中に転職活動をしている人もいるでしょう。

こういった人は、応募しようとしている会社が、自分の過去の休職歴を調査して、ばれてしまうことがないか不安だと思います。

今回は、うつ病での休職経験が転職先からの前職調査でばれることはあるかどうかについて解説します。

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現在では前職調査はあまり行われない

昔は、中途採用の応募者について、前職での働きぶりや提示している前職での年収にウソがないかどうかを調査することがよくありました。

「身辺調査」や「身元調査」などとも呼ばれていて、応募先の会社の担当者が、前職の会社に電話などで確認するようなことも行われていたようです。

しかし、現在は個人情報保護法という法律の制定もあり、あまり行われていないようです。

前職調査をするかどうかは会社の採用方針によりますので、断言はできませんが、昔よりも調査がしづらい環境にあると思われます。

個人情報は保護されるようになってきた

昔は、わたしたちの勤務先名や給与額、働きぶり、人柄などの重要な個人情報であっても、問い合わせれば簡単に外部に出てしまっていました。

しかし、そういったずさんな個人情報の管理が問題になり、2005年に「個人情報保護法」という法律が作られました。

これにより、個人情報を持っている事業者は、たとえ自社の社員の個人情報であっても本人の同意なく外部に漏らすことは違法となります。

会社の人事担当者は個人情報保護法により、自社の社員について、本人の同意なく、情報を外部に提供することはできないということです。

そのため、自社の社員について他社から問い合わせがあっても、「この人は以前うつ病でしたよ」「年収は400万円でしたよ」などと勝手に情報を漏らすことはできません。

また、自社で採用しようとしている中途採用の応募者について、その人の前職の会社に電話をかけて「この人はうつ病などのメンタル疾患で休職したことはありましたか?年収は、どのくらいもらっていたんですか?」などと調査することも、通常ありません。

法律で禁止されている行為であり、人事部門を担当している人であれば、個人情報保護法についての知識があるはずだからです。

もしそのような人がいるとしたら、その人は本当に倫理観の乏しい人であり、会社の業務としてではなく、単なる個人的興味で違法行為をしているということです。

非常に稀なケースですし、会社としての業務ではないため、そういった人の勝手な調査であなたの身辺調査がされても、会社としての調査ではないはずなので、採否には影響しないと考えられます。

前職調査でうつ病がばれることは稀

上記のような理由で、あなたがもし前職でうつ病や適応障害で、前職で休職経験があったり、病気が原因で退職に至っていたりしても、前職調査でそれがばれることは稀でしょう。

一般的な会社から、同じく一般的な会社に転職するだけであれば、違法行為をしてまで前職に調査員を派遣して、働きぶりや給料の額、既往歴などを調べることはありません。

あなたがもし前職にてうつ病の休職歴があったとしても、今治っていて業務に支障がないのであれば、聞かれもしないのに転職先にわざわざ過去のことを話す必要はありません。

ズバリ「うつ病で休職していた過去はありますか」と聞かれてしまえば、嘘をつくことはできません。

しかし、聞かれないなら黙っていればいいのです。

以前は、個人情報保護の意識が乏しく、「身辺調査」が一般的に行われていたため、電話で軽く前職の人事担当者に問い合わせて、隠していたことがばれるということもあったようです。

そのため、ばれる可能性があるから、「聞かれていないけれど本当のことを言おう」と思う人もいるかもしれません。

しかし、今は勝手に身元調査などはされません。前職調査の対象となる人は特殊な人であり、「うつ病の休職歴がある」程度の隠しごとは、調査で発覚することは稀だといえます。

前職調査の対象になる人とは

ただし、今でも選考の段階で前職調査をされる人がいます。それは以下のような人たちです。

採用において信頼関係が重視される人(役員、経理部長など)

他社から引き抜いて、自社の役員に就任させたい場合や経理部門の責任者として採用する場合は、前職での仕事ぶりを調査することがあります。

役員や、お金を扱う人の場合、その人に何か黒い経歴があると、直接自社に損害を与えることがあり得るからです。

高額の年収を払う予定の人

中途採用者の年収は、前職での年収をベースに設計することが多いです。そのため、本人が提示している前職の年収が高額な場合、それが本当かどうか確かめるために、調査することがあります。

銀行などお金を扱う業界に採用される人

中途採用であっても、銀行などお金をメインに扱う業界では、前職調査をすることがあります。

本人の働きぶりもそうですが、誠実さや勤勉性、お金のトラブルがなかったかなどを主に確認します。

警察官や警備員

警察官は身辺調査をされるということは良く知られていることですが、警備員も同じく、調査されることがあるようです。

仕事の内容が、重要な人物の警護であったり、犯罪の抑止であったりといった特性があるためです。

銀行と同じく、前職での働きぶりや誠実さ、お金のトラブルや対人トラブル、犯罪的な傾向がなかったかどうかを調べるようです。

前職調査の調査内容

見てきた通り、前職調査される人は特定の業界へ転職しようとしている人が対象です。

また、その調査内容は、主に「信頼に足る人物か」「給与の詐称は無いか」「お金に関するトラブルは無いか」といったことです。

こういった部分がクリアな人材でなければ採用できない事情を持つ会社が、調べる内容を絞って調査するのが一般的です。

そのため、うつ病や適応障害、あるいは統合失調症といった精神疾患の既往歴を調べようとする会社は、ほとんどないと思われます。

身辺調査は、現在では違法行為であり、簡単にできないため、専門の調査機関に依頼する必要があります。こういった調査には、一人の調査につき数十万円のコストがかかります。

上に述べたように特殊な事情を持つ応募者の場合は、コストを支払ってでも前職調査をする必要がありますが、一般の人にそれだけの費用をかけて、病歴を調べるというのは、現実的なことではありません。

ぜったいばれたくない人の対策

選考途中で、本人の同意がないところで前職調査をするのは、個人情報保護法違反であり、簡単にはできないことを述べてきました。

そのため一般的には、前職調査は行われませんが、実は絶対大丈夫だとは言い切れないのです。

なぜなら、非常識な会社が存在するからです。

さらに、内定を出した後に、応募者にきちんと断ってから前職に問い合わせをする会社も少なからず存在するからです。

一部の非常識な会社

世の中には非常識な会社もあります。個人のプライバシー配慮の意識がない会社は、個人情報保護法などおかまいなしに、応募者の前職場へ電話をかけて、個人情報を探ろうとする人もいないわけではありません

その会社の運営体制や倫理観、担当する社員の人格によるものであって、応募前にそういった会社ではないかどうかを確認する方法はありません。

応募者側としては対策のしようがないのが現状です。

内定後に前職へ問い合わせる会社がある

また、内定を出した応募者について、「本人確認などのために、前職にあなたのことを問い合わせるが良いか」とひとこと断ってから、前職へ問い合わせをする会社は、少数ながらあるようです。

前職の経歴詐称をしていたり、そもそも全く働いたこともないような会社名を堂々と履歴書に書いてくる応募者もいたりするため、内定が決まったときに、経歴詐称が無いか確認するためです。

これは、その会社の労務管理体制上の決まりであり、どの業界のどの対象者になされるかはわかりません。

いずれにせよ、このように「前職に問い合わせるが良いか」と聞かれた際に「いいえ、困ります」などと答えるわけにいかないと思います。

そんなことをすれば、経歴詐称や年収詐称があったと誤解されてしまいます。

前職の法令遵守意識、倫理観次第

一部の非常識な会社や、内定後に前職調査をしようとする会社から、前職に問い合わせがあったら、あなたの個人情報はばれてしまうものでしょうか。

ばれるかばれないかは、前職の法令遵守意識や倫理意識にかかっています

前職の会社に個人情報保護法の知識があり、通常の法令遵守の意識があれば、転職先の会社からあなたの勤務態度や年収、病例などの問い合わせがあったとしても、「本人の同意がないため、個人情報は話せない」と断るはずです。

本人の同意がなければ、個人情報の提供は許されないというのが個人情報保護法です。

この「本人の同意」とは、個人情報を持っている事業者に対して行われる同意です。

つまりこの場合であれば、あなたの前職の会社が、あなた自身から「自分の勤務状況や年収などを、転職先の会社に提供しても良い」という同意を取らない限り、情報を漏らしてはならないわけです。

あなたの前職の会社は、法令遵守意識がありましたか。

もしあるなら、おそらくうつ病の休職履歴や年収などの機微な個人情報は、「本人の同意がないので、漏らせない」と断ってくれるでしょう。

しかし、前職の会社にそのような意識が乏しいとか、総務担当者の倫理観がない人であると、こういった常識的な対応は望めないかもしれません

前職の会社に秘密保持を頼んでおく

もしあなたの前職が法令遵守意識の乏しい会社であれば、あらかじめ「私の個人情報は絶対に外部に漏らさないで欲しい」と依頼しておく必要があるでしょう。

退職の際に、「もし、転職が決まってその会社から身元調査が入っても、うつ病での休職歴は隠してください。

情報提供に同意しません。個人情報保護法を遵守して、情報の漏洩がないようにしてください」と伝えておけば、法律上、その秘密を外部に漏らすことはできなくなります。

もちろん、きちんと秘密を守ってくれるかどうかは前職の会社の担当者の倫理意識によるため、必ず大丈夫とはいえません。

ただ、どうしてもばれたくない人は、前職の会社には自分の個人情報を守ってもらうようにお願いしておくことです。

そのためにも、前職との関係性は大事だと思われます。

円満に退職している人であれば、転職活動を進めている際に、前職の担当者あてにこれらの依頼をすることができるはずです。しかし、円満退職できなかった場合は、依頼するのは難しいかもしれません。

いずれにしても、あなたの個人情報を握る前職の会社と、窓口の担当者の倫理観によって、ばれるかばれないかが変わります。

転職サイト(エージェント)に協力を依頼する

うつ病などの精神疾患で、休職の履歴があっても、転職先からの前職調査でばれることは稀でしょう。

そのため、もうすでにうつ病が治っていて業務に支障がないなら、あまり心配しすぎず転職活動を行ってください。

もし本当に心配なら、前述のように、前職の担当者に秘密保持の依頼をすることです。

また、転職サイト(エージェント)のコンサルタントと共に、どの会社に転職するべきかを相談しながら進めてください。

エージェントは身辺調査を行う会社とそうでない会社などの「実情」を知っていることがあります。そのため、どうしても前職での秘密を隠したいという人は、応募先の実情に詳しい専門家の力を借りてください。

ただし、以前うつ病での休職歴があることは、エージェントであっても伝える必要はないでしょう。

誰にでも隠したい過去はありますし、個人情報すべてを明らかにしなければならないものでもありません。

ただ、うつ病の経験があるならば、次の職場は本当にあなたに合った会社を見つけて欲しいものです。

過去がばれないように活動するのも大事ですが、それよりも「なぜうつ病になったか」「どのような環境、働き方であれば、うつの再燃を防げるか」にも意識しないといけません。

自分の適性を調べ、どのような職場が一番ストレスを感じずに働くことができるのかを、しっかり分析する必要があるでしょう。

転職の専門コンサルティングを受けながら、こだわって職場探しをして欲しいと思います。


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特に、在職中の人やうつ病の履歴がある人、転職回数が多い人や、入社数年で離職しているような不利な状態の人は、自力での転職活動は無謀です。
納得のいく転職先を見つけるのは難かしいため転職エージェントの活用が必須です。

ただし、転職エージェントによって特徴が違いますし、保有している求人の種類も違います。そのため複数の転職サイトを活用したほうが良いです。
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