残業や長時間労働を理由に辞めて良いか?の判断基準と賢い退職法

長時間労働を強いられている人は、このままでは心身共にバランスを崩してしまいそうなので、辞めたいと考えることがあるでしょう。

正社員であれば、ある程度の長時間労働は仕方がありませんが、あまりにもひどい場合は、人生全体のことを考え、早めに転職活動をした方が良いです。

しかし、長時間労働を理由に辞めてしまって良いのか悩むものです。

さらに辞めたあとの失業期間中のことを考え、退職後の生活準備もしなければなりません。

今回は、残業や長時間労働を理由辞めて良いか?の判断基準と賢い退職法について解説します。

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長時間労働で辞めるのは逃げか?の5つの判断基準

長時間労働が辛いために今の会社をやめたいが、それが「逃げ」ではないかと思って躊躇している人もいると思います。

主観だけを頼りに退職を決めるのは不安なのは当然です。

そのため、以下にあげる項目を検討してみてください。

もしあなたの職場環境どうしようもない場合は、退職することが一番の解決になるかもしれません。

「過労死ライン」が3か月続いている

残業の時間が、「過労死ライン」と呼ばれる時間を超えていて、かつ3か月続いているようでしたら、心身を壊す恐れがあり危険な状態といえます。

過労死ラインとは、残業時間が月に80時間を超える場合とされています。

月に20日間出勤するとすると、1日に4時間残業すると、過労死ラインになります。

例えば朝9時に出勤し、休憩を入れて9時間在所し、その後4時間の残業となれば、22時に事務所を出るという労働環境となります。

「朝9時から夜10時まで働くのは普通だよ」と言っている人がいるかもしれませんが、そんな情報を鵜呑みにしないでください。

その人はいろんな事情があってそう感じているかもしれませんが、このような労働時間は決して「普通」ではありません。

もちろん、月に1、2回など、たまに遅くなる日があるというなら別ですが、この労働時間を何年も続けるのは無理があります。

過労死ラインを超えて残業をし、その期間が数か月続くと、働きすぎによるさまざまな健康障害が発生するとされています。

長時間労働が原因で毎年離職者がいる

あなたの会社には、長時間労働が原因で毎年離職者がいるでしょうか。

辞める理由の多くは労働環境の悪さや人間関係ですが、特に労働時間の長さを理由に辞める人が多い職場は、職場そのものが長時間労働を良しとする風土があるのかもしれません。

時短への取り組みが望めない

長時間労働を何とか是正していこうとする取り組みが、会社全体でなされているでしょうか。

もしそのような工夫がされておらず、長時間労働をすることが良いことであるような雰囲気や、そもそも労働時間の長さが利益を生んでいるような職種(長時間営業の店舗など)であれば、改善は難しいでしょう。

また、少しでも社員の労働時間を短くするために、シフト制を組んでいるとか人員を増やすとか、業務改善の工夫をしているといった対策はされていますか。

それらが全くなされていないのであれば、「今は辛いが、いつか労働時間は短くなるだろう」という期待はできないと思われます。

1年中長時間労働

今労働時間が長いとはいえ、突発的なトラブル対応中であったり、繁忙期中であったりという事情があるなら、いずれその時期が過ぎれば労働時間は短くなるかもしれません。

しかし、季節にかかわらず、1年中ずっと労働時間が長いのであれば、おそらくこれからもずっと、1年中長時間労働を強いられるはずです。

ベテラン社員も長時間労働

あなただけではなく、社員の誰もが長時間労働をしていますか。

仕事に慣れていない人や、要領が悪い人が、個人的に仕事をこじらせてしまって、いつまでも長々と仕事をしていることがあります。

あなたがそのタイプの社員であれば、それは会社の責任ではありません。

一方、あなた以外の人、特に仕事に慣れているベテラン社員も、長時間仕事をせざるを得ない環境であれば、それはその職場の問題といえます。

長時間労働を理由に辞める場合

上に述べた項目のうち、ほとんどに当てはまっているのであれば、退職してもう少し余裕のある会社へ転職したほうが良いといえます。

その会社に頑張り続けることで、心身を壊したり、最悪の場合本当に「過労死」を招くことも考えられるからです。

自分の心身と、仕事以外の生活時間を守るために、会社をうつることは決して逃げではありません

一方、上記の項目のうちほどんどに当てはまらないのであれば、もしかするとそれは、あなたの仕事の仕方に問題があるとか、それほどの長時間労働ではないのに「辛い」「辞めたい」と感じているだけかもしれません。

その場合は、一旦転職することは脇に置いておいて、仕事能力を高め定時で帰れる努力をすることなどに目を向けてください。

退職してから転職活動をするのも有り

もし、本当に長時間労働が辛く辞める決心がついたら、退職への準備と転職活動をする必要があります。

あまりにも労働時間が長く転職活動ができない人は、転職サイト(エージェント)に登録し、水面下でエージェントに動いてもらってください。

それでも面接に行く日が取れないなど、時間的制約が強い人は、思い切って退職してから転職活動をすることも一つの手です。

退職した後に転職活動をすれば、1日中次の会社を探す時間に充てられますし、好きな時間に面接に伺うこともできます。

退職後に勢いよく転職活動をすれば、短期で決まることも考えられます。

しかし、退職後の転職活動にもデメリットがあります。それは、就職が決まるまでの生活費です。

この問題をクリアするために、失業保険を受給することが考えられるのですが、自己都合退職をすると失業保険は3か月間待たないといけないことになっています。

しかし、過酷な長時間労働が理由で退職した人には、3か月も待たずに失業給付をもらえるというしくみがあります。

「特定受給資格者」になれる可能性がある

たとえ自己都合退職扱いで辞めていても、失業給付をもらう手続きの中で、「特定受給資格者」として認めてもらえば、会社都合退職の人と同じ手厚い給付を受けられます。

特定受給資格者とは、倒産や解雇等により、離職を余儀なくされた人のことをいいます。

この、「離職を余儀なくされた人」の中には以下のような人も含まれることになっています。

離職の直前6か月間のうちに

[1]いずれか連続する3か月で45時間

[2]いずれか1か月で100時間、又は

[3]いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した者

厚生労働省職業安定局

上記の要件に当てはまるほどに残業が多すぎ、長時間労働が辛くなって辞めざるを得なくなった人は「特定受給資格者」となります。

一般的な自己都合退職者よりも、手厚い保険給付を受けられるということです。

特定受給資格者の給付要件

特定受給資格者になると、以下のように、一般的な自己都合退職者よりも給付日数も多くなります。

かつ、通常は1年未満で辞めてしまっている人は失業給付はもらえませんが、特定受給資格者に認定されれば、90日分の給付を受けられます。

また、一般の自己都合退職者は、3か月間の給付制限期間がありますが、特定受給資格者になると給付制限がなくなります。

そのため、手続きをして約2週間程度で失業給付を受けられます。

特定受給資格者および特例理由離職者(会社都合扱いの退職者を含む)の所定給付日数

給付制限なし


一般の受給資格者(自己都合退職者)の所定給付日数

3カ月の給付制限あり

引用:厚生労働省職業安定局

特定受給資格者と認定される方法

特定受給資格者として認定されるかどうかは、ハローワークで判断されることになります。

退職したら、会社から「離職票-2」という書類が発行されます。これを、あなたの住んでいる地域を管轄するハローワークに提出しに行きます。

離職票―2の記入例:厚生労働省

その際に、右側の「離職理由」のところに、離職者本人が本当の離職理由を申告する欄が設けられています。

選択肢から選ぶようになっていますから、「5 労働者の判断によるもの、(1)職場における事情による離職、の①労働条件に係る問題(時間外労働)があったと労働者が判断したため」の選択肢に〇をつけて、提出してください。

事業主記入欄に、どこの選択肢に〇がついていてもかまいません。

認定判断には証拠が必要

離職票―2を提出する際に、特定受給資格者としての判断をしてもらうわけですが、その際には時間外労働に苦しんできたという証拠の提出が求められます。

特定受給資格者の範囲と判断基準 厚生労働省

特定受給資格者(長時間労働)と判断されるには、要件である以下の状態であったことが分かる資料を用意します。

  • いずれか連続する3か月で45時間
  • いずれか1か月で100時間、又は
  • いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われた

具体的には、給料明細やタイムカードのコピー、賃金台帳など、とされています。

労働者である人が用意できるのは、給与明細かタイムカードしかないと思いますので、退職する前にできればタイムカードなどの労働時間が記録されている資料をコピーしておくことをお勧めします。

給与明細にも、総労働時間が書かれているはずですが、一部のブラック企業などでは、明細に労働時間を書かないケースもあります。

ハローワークは労働者の味方です。時間外労働の事実がわかるものであれば、実態に即して判断してくれます。

業務日誌や、メール管理表などなんでもいいので、とにかくその期間の残業時間がわかるものを集めておいてください

長時間労働を離職理由としても良い

いざ転職活動を始めると、応募先の企業からは、前職を辞めた理由を聞かれることでしょう。あるいは在職中であっても、どうして辞めようと思うのかを必ず聞かれます。

その際に、「長時間労働であるから」という離職理由にしても良いです。

「残業が多いから辞めた」「長時間労働が辛いから辞めた」と述べると、悪印象を与えるからやめたほうが良いという意見もあります。

ただ、こればかりは相手企業の受け取り方にもよりますし、伝え方にもよると思います。

そのため、「その条件なら、続けるのは難しいな。辞めたいと思うのも当然かもしれない」と相手の企業に思ってもらえるような根拠を述べることです。

また、愚痴っぽくなったり会社を悪く言ったりしなければ、大丈夫です。

私情を交えず具体的事実を列挙

転職の面接では、前職を離職した理由について、上記で見てきた「長時間労働を理由に辞めても良いかの5つの判断基準について、すべてがアウトだったために退職した(退職予定)」と述べれば、たいていの会社は納得します。

  • 「過労死ライン」が3か月続いている
  • 長時間労働が原因で毎年離職者がいる
  • 時短への取り組みが望めない
  • 1年中長時間労働
  • ベテラン社員も長時間労働

これらの条件下であれば、辞めたいと思うのも無理はなく、十分な離職理由になります。

伝える際には、感情を入れず愚痴を言わず、事実を具体的に述べます。できれば数字を出して、どの程度の長時間労働であったのかをイメージしてもらえるとより良いでしょう。

例えば以下のような形です。

前職を退職した理由は、長時間労働のため、家庭生活ともバランスが取れなくなったことと、このまま続けることで、耐えられるか疑問に思ったためです。

具体的には、朝8時半に出社し、帰宅できるのは平均して夜10時を過ぎます。

連日このような勤務スタイルであり、1年間通して変化はありません。

繁忙期だけとか決算期だけということであれば、何とか乗り越えられるかもしれませんが、年間通してとなると難しいと感じました。

このように、聞かれそうなこと、突っ込まれそうなことはあらかじめつぶしておき、できるだけ数値を混ぜて伝える練習をしておきましょう。

その会社で20年以上働くことができるか?

長時間労働に耐えていると、うつ病や身体疾患に罹りやすくなります。

若いうちはまだ良いかもしれませんが、その会社で10年、20年と働くことができるかどうかを、冷静に考えてみてください

若い人だけが長時間労働をしていて、管理職になるにつれて時間が短くなっていくなどであれば、「いつか楽になれる」と頑張ることも一つの選択肢です。

しかし、その希望がなく、10年後も20年後も同じ環境で働くことになりそうな場合は、できるだけ若いうちに決意したほうが良いでしょう。


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