自分も他人も追い詰めるブラック社員の特徴と抜け出す方法

ブラック企業

「ブラック企業」といわれる会社があることはご存じだと思いますが、そこには、何故かそんな会社であるのに、働き続けている「ブラック社員」といわれる人たちがいます。

もしかして、知らず知らずのうちにあなたがブラック社員になってしまっているかもしれません。

ブラック社員は自分を追い詰め苦しい思いをしているだけでなく、周りの社員までブラック状態に追い込んでいることがあります。

今回はブラック社員の特徴と抜け出すための方法について解説します。

自分だけでなく周りまで引きずりこむブラック社員とは

いくら仕事しても終わらない、残業に次ぐ残業で心も体も疲れ切ってしまっている、そんな状態で仕事に向かっても集中力がなくまた仕事が終わらない。

そんな状況に悩んでいる人は、会社のブラックさに嘆くのももちろんですが、自分自身が「ブラック社員」になってしまっていないかの注意が必要です。

ブラック社員は、大変な思いをするだけでなく、周りの社員までもブラックに引きずり込み、会社そのものの体質にも影響を与えてしまうこともあります

ブラック社員の特徴

ブラック社員に明確な定義はありませんが、以下のような特徴を持った人が多く居ます。

理不尽な状況にも疑問を持たない

ある意味会社に「洗脳」されている状態といえます。

どれだけ仕事量が多くてサービス残業や休日出勤が当たり前になっていても

「先輩たちも通ってきた道なんだから耐えろ」

「今は会社の成長期なのだからサービス残業が当然」

などと言われると、納得してしまいます。

改善しようという意識よりも、目先の仕事に囚われてしまいます。

そしてひたすらに仕事を片付けたあとも、また同じサイクルで理不尽な量の仕事が回ってくるだけなのです。

献身的に働くことが正義だと思っている

こちらも洗脳だと言えるでしょう。

社会人たるもの会社に尽くすのは当たり前、プライベートの犠牲もいとわないと思っています。

それが自分だけならまだしも、それを人にも強要してしまうのがブラック社員の困ったところです。

指導している後輩にも同じ価値観を植え付けてしまったり、定時が来ても他の社員が退社しづらい雰囲気を作ってしまいます。

投げやりになっている

上記2つのパターンは表向きで、実は内心では投げやりになっている人もいます。

口では「頑張ろう!」と言いますが、「改善をしてもどうせ無駄だろう」とあきらめの気持ちから、改善のためのアクションを起こそうとはしません

波風を立てないようにとりあえず仕事をこなすだけ。

心の中は不平不満に満ちていますが、社内でそれをひけらかすことはできずに悪循環に陥ります。

周りの社員や会社に与える影響

少しでも思い当たることがあれば、もしかしてあなたも「ブラック社員」になっている可能性があります。

あるいは、あなたの身近な先輩や同僚が上記のような人であれば、その人は完全にブラック社員だと思われます。

ブラック社員の明確な定義がないことは冒頭でも記しましたが、いずれにせよ自ら仕事を大変なものにしていることには変わりありません。

自分が常識の範疇を超えて頑張ると、それが普通になってしまい、会社からは常にそれを求められてしまいます

また、他の社員もそれを求められるようになったり、犠牲は当たり前という風潮に対して意見しづらい空気が出来上がってしまいます。

ブラック社員になりやすい人とは?

期待に応えようと過度に頑張ってしまい、更にはそれを周囲にも伝染させてしまうブラック社員になってしまうには、いくつか要素があるようです。

自分自身や周りの環境がそうさせている場合もあります。

責任感が強すぎる

誰もやりたがらないような仕事があるとつい立候補のように引き受けてしまい、結果オーバーブッキングしてしまう人です。

リーダーシップをはき違えてついつい仕事を抱え込み、周りに協力をもらうことを苦手としている人が陥ってしまう罠です。

人の痛みに敏感

経営者や会社が頭を悩ませていることに寄り添いすぎて、自分を犠牲にして無茶をしてしまう人です。

もちろん、それが良い方向に働けば、幹部や役職付として重宝されるかもしれない素晴らしい能力ではあります。

しかし、スキルがそれに追いついていなかったり、本心ではやりたくない、と思っていると、いつしか大きなゆがみが出来てしまいます。

結果よりプロセスを重視してしまう

残業や休日出勤などで仕事を「したつもり」になっているパターンです。

人より長い時間頑張ることを美徳としている人は要注意です。

確かに人より頑張ることはとても大事ですが、仕事は「結果」がすべてとも言えます。

プロセスを評価してもらえるのは学生時代までです。

そして、このタイプに当てはまる場合は結果がついてこないことが多く、達成感もなく仕事がつまらなく感じて、余計にしんどくなりがちです。

従順な性格

ブラック社員の特徴にも挙げたように、会社からの理不尽に対しても疑問を感じずに「そういうものか」と納得してしまいそれに慣らされてしまう人です。

真綿で首を絞めるように気づけば仕事に押しつぶされてしまうこともあります。

そして勝気な性格の人でも、忙しすぎると理不尽に対する判断力が鈍ります。そのため、本来の判断基準が保てているかも重要です。

仕事以外で相談できる人が少ない

地元を離れて就職した、一人暮らしで友人も少ない、といったように、会社以外で人との接点の少ない人はこれに当てはまりがちです。

人との関わりが薄いと、仕事の頑張りを評価してもらうことにやりがいを感じ、仕事だけが自分の居場所になってしまうことがあります。

適正な仕事量で正当な評価・報酬がもらえるなら問題ありませんが、周りに比較する人がいないと、損をしていることに気づいていないこともあるかもしれません。

低コストで使われ会社にはありがたい存在として賞賛されてしまうと、承認欲求が満たされるため更に頑張ってしまいます。

仕事が忙しすぎて、休みにプライベートの友人に会ったりする気力体力まで削がれてしまうような職場環境も、これに当てはまると言えます。

肉体的・精神的にタフすぎる

体力に自信があり、疲れた顔を見せないと周りも安心して仕事を振ってしまいます。

精神面ではいわゆる「いじられキャラ」とか「打たれ強い」「ポジティブ」などと言われたことのある人は気をつけましょう。

周りから精神的に強いと思われている人は、実際はどうかということは関係なく、大変な仕事が回ってきやすくなります。

ブラック社員を脱出するには

ブラック社員として仕事を続けることは、ゴールのないマラソンをひたすら走り続けるようなものです。

いざ体を壊したりして休むと、そのあと立ち上がるモチベーションを失ってしまうこともあり得ます。

社会人として長く働き続けるためには、働き方を見直すことも重要です。

仕事に対する姿勢・考え方を変える

ブラック社員になりやすい人の特徴にもあったように、プロセスを重視してしまうとどうしても長時間労働になりがちです。

仕事においての「ムリ・ムダ・ムラ」が多いといつか破綻してしまいます。

極論、結果さえ出すことができればプロセスは問われないことのほうが多いでしょうし、評価を得ることもできます。

また、自分一人で仕事を抱え込むのではなく協力を求めましょう

そうして仕事を周りに振ることができればリーダーシップ能力も養われていきます。

環境を変える

相談できる人がいない・相談しづらい環境の人はこれをまず変えてみることが大事です。

時間がなくても、少々無理してでも誰かに相談してみる機会を作りましょう。

視野を広げると、実はやらなくて良い努力があるのかも知れません。

会社と家との往復ではわからないことも、人と話すことで見えてくることがあります。信頼して心の内を明かせる人に聞いてみることが大事です。

それだけでも大きく状況が好転することもありますが、自分が変わっても職場の環境が著しく悪い場合は、転職するのも一つの方法です。

今やブラック企業は珍しくもなく、知らない間にそこに染まってしまっていればブラック社員を脱出したくてもできません。

環境(職場)だけを変えても二の舞を踏むだけですが、仕事のやり方や姿勢を変えてなおかつ環境を変えることはとても有効です。

本当に今の環境で良い働き方ができるのか、それも判断基準に入れてしっかり考えましょう。

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